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見積書の書き方|番号付きサンプルで見る記載項目・有効期限・税込と税抜

見積書の書き方を、番号付きのサンプル見積書と明細表の拡大図で順に説明します。有効期限の決め方、税込・税抜の表示、源泉徴収に関わる著作権の扱い、出したあとの保存までまとめています。

  • 最終確認日
  • 出典31件
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対象日本の取引先に見積書を作って出す個人事業主・法人の方。日本に住む方も、韓国など日本国外に住む方も対象です。

結論

  1. 見積書の記載項目を定めた法令はなく、実務の慣行に沿って作ります[1]。よく使われる構成は、宛名、見積番号・見積日・有効期限、件名と見積金額、発行者、明細表、備考の6ブロックです。
  2. 有効期限は2週間〜6か月程度で設定されることが多く、長さに法令の決まりはありません[2][3]。
  3. 見積書は総額表示義務の対象ではないので、税抜金額で示してもかまいません[4]。消費税がかかる取引なら、税抜か税込かを明記し、税率ごとの消費税額まで書いておくと、請求書との食い違いを防げます。
  4. 消費税・登録番号・源泉徴収の扱いは、日本に住む方と韓国など日本国外に住む方とで変わります。該当する欄では、両者を囲みで分けて説明します。

見積書の役割と出す時期

見積書は、契約の前に、商品やサービスの価格・数量・範囲などを示す書類です。発注する側は、見積書を見て発注するかどうかを判断します。見積書の発行は、法令上の義務ではありません[1]。

取引は、見積書、注文・契約、納品、請求書、領収書の順に進むのが一般的です[1]。請求書と領収書の作り方は、請求書の書き方と領収書の書き方で説明しています。

見積書で示した金額と条件は、その後の注文や請求の基準になります。出す前に、作業の範囲と前提条件を固めておきます。

番号付きサンプルで見る見積書の書き方

下のサンプルは、Dokoloで作った見積書を6つのブロックに分けて番号を付けたものです。番号順に、何を書くかを説明します。表題は「見積書」のほか、「御見積書」としてもかまわないとされています[2]。

番号付きの見積書サンプル。1 宛名、2 見積番号・見積日・有効期限、3 件名と御見積金額、4 発行者と登録番号、5 明細表、6 備考
見積書全体を1〜6のブロックに分けたサンプル。金額・会社名・住所・登録番号はすべて架空です。8%の行の税率は「税込・税抜の表示と軽減税率」で説明します。

1. 宛名

見積書を出す相手の会社名または氏名を書きます。敬称は、会社・部署あてなら「御中」、個人あてなら「様」を付けます。1つの宛名に「御中」と「様」を併用しないのが一般的です[5]。

  • 株式会社サンプル 御中
  • 株式会社サンプル 総務部 御中
  • 株式会社サンプル 総務部 山田 太郎 様
  • 山田 太郎 様

2. 見積番号・見積日・有効期限

見積番号は、問い合わせや注文を受けたときに、どの見積書の話かを特定するための管理番号です。連番や案件番号を使います。見積日は見積書を出した日で、有効期限の起算日にもなります[2]。

有効期限は、示した金額と条件で契約できる期限です。「発行日より1か月間有効」のように期間で書く方法と、「2027年3月31日まで」のように日付で書く方法があります。2週間〜6か月程度で設定されることが多いとされています[2][3]。

民法では、承諾の期間を定めてした申込みは、撤回する権利を留保した場合を除いて撤回できません。期間内に承諾の通知を受けなければ、その申込みは効力を失います[6]。

見積書が契約の申込みに当たる場合はこの規定が当てはまり、有効期限内は一方的に金額を変えられないと解説されています[2][3]。材料費や人件費が変わりやすい案件では、期限を短めにするか、金額が変わる条件を備考に書いておきます[2]。

3. 件名と見積金額

件名には案件名や作業名、対象期間を書き、何の見積かが一目で分かるようにします。サンプルでは「下記の通り、お見積り申し上げます。」の下に、税込の御見積金額を示しています。この額は、明細表(ブロック5)の合計と一致させます。

4. 発行者と登録番号

自分の氏名または名称を書き、問い合わせ先として住所・電話番号などを添えます。社印などの印影を押すことも多いですが、これも慣行で、法令上の決まりはありません[1]。

日本に住む方

登録している場合は、見積書にも登録番号を書いておくと、取引先が発注前に適格請求書発行事業者かどうかを確かめられます。取引先が一般課税(本則課税)で申告している場合、登録していない事業者からの仕入れは、経過措置により仕入税額相当額の70%しか控除できません。この割合は2026年10月1日〜2028年9月30日のものです。2026年10月1日以後に始まる課税期間では、1つの事業者からの仕入れが年1億円を超える部分は対象外です[7]。登録の手続は、インボイス制度とはで説明しています。

韓国など日本国外に住む方

韓国で行った受注制作のような国外取引には、日本の消費税がかかりません[8]。取引先が仕入税額控除できるのは国内で行った課税仕入れ等で、国外取引は対象にならないため、登録しても取引先にとっての利点はありません[9]。登録すると、売上の規模にかかわらず消費税の納税義務が免除されなくなり、日本で申告が必要になる場合があります[10](詳しくは国外事業者のインボイス登録は必要?)。

5. 明細表

内容・数量・単位・単価・税率・金額を1行ずつ並べ、税率ごとの小計と税額、合計までをまとめるブロックです。列ごとの書き方は次の「明細表の書き方」で説明します。

6. 備考

前提条件、納期、支払条件など、金額だけでは伝わらない条件を書きます[1]。追加作業や仕様変更があったときの扱いも、ここで決めておくと注文後の認識違いを防げます。

成果物の著作権を譲渡するのか、利用を許諾するのかも、決まっていれば備考に書きます。源泉徴収との関係は「源泉徴収と著作権の扱い」で説明します。

海外送金で代金を受け取る場合は、送金手数料をどちらが負担するかも書いておきます。三井住友銀行の案内では、手数料を依頼人負担にしても、受取人側の銀行や経由銀行で手数料が差し引かれることがあるとされています[11]。

明細表の書き方

明細表は、見積金額の根拠を示す部分です。下の拡大図の番号に沿って、列ごとに書く内容を確認します。

番号付きの明細表サンプル。1 内容、2 税率区分、3 数量、4 単位、5 単価(税抜)、6 税率、7 金額(税抜)、8 税率ごとの対象小計、9 税率ごとの税額、10 合計(税込)
明細表の列と集計欄を1〜10に分けた拡大図。工事の行は10%、コーヒー豆(販売用)と焼き菓子の行は※付きの8%です。単価の欄は、桁区切りのカンマなしで表示されています。
番号列書くこと
1内容工事名・品名・作業内容。あとから第三者が見ても何の見積か分かるように書き、「一式」にまとめず工程や品目に分けると確認しやすくなります。
2税率区分軽減税率(8%)の対象行に「※」などの記号を付け、記号の意味を表の下に書きます。適格請求書と同じ書き方です[12]。
3数量件数・面積・時間など。定額の作業なら「1」とします。
4単位「式」「㎡」「個」「時間」など、数量の単位。
5単価(税抜)1単位あたりの金額。サンプルは税抜です。税込で書く場合は、明細全体を税込にそろえます。
6税率10%または8%。
7金額(税抜)数量×単価の金額。
明細表の列ごとの書き方

8〜10. 税率ごとの小計・税額・合計

⑧は税率ごとに合計した金額、⑨は税率ごとの消費税額、⑩は⑧と⑨を足した税込の合計です。⑩は、上部「3. 件名と見積金額」の御見積金額と一致させます。

請求書を適格請求書として交付する場合、消費税額の1円未満の端数処理は、1枚につき税率ごとに1回です。明細の行ごとに端数処理して合計する方法は認められません[13]。見積書も同じ計算にしておくと、見積金額と請求金額が1円単位でずれません。

税込・税抜の表示と軽減税率

総額表示義務は、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合に、税込価格の表示を義務付けるものです[14]。見積書・契約書・請求書などは対象外なので、見積書は税抜で示してもかまいません[4]。

消費税がかかる取引では、どちらで書く場合も、金額が税抜か税込かを明記します。サンプルは明細を税抜で書き、上部の御見積金額と⑩に税込の合計を示しています。

軽減税率8%(2026年10月現在)の対象は、酒類と外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される定期購読の新聞です[15]。サンプルのコーヒー豆と焼き菓子は飲食料品なので8%、工事は標準税率の10%です[15]。

なお、令和9年(2027年)4月1日から令和11年(2029年)3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%(国・地方合計)に引き下げる政府案が、2026年9月15日に閣議決定されています。法案が成立した場合の内容で、2026年10月22日現在、法案はまだ成立していません[16]。消費税がかかる取引で、この期間に納品する飲食料品を見積もるときは、国税庁の案内で税率を確かめてから出します。

日本に住む方

請求書を適格請求書として交付する予定なら、見積書も税率ごとに対象額と消費税額を分けておくと、請求書と照らし合わせやすくなります。適格請求書では、税率ごとの対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額等が記載事項です[12]。適格請求書の記載事項の全体は、インボイス制度とはで説明しています。

韓国など日本国外に住む方

韓国で行う受注制作をインターネットで納品する場合は、ほとんどが国外取引で、日本の消費税はかかりません(不課税)[8][17]。継続的なオンライン相談など事業者向けの電気通信利用役務に当たる場合は、「日本の消費税のリバースチャージ方式の対象取引です。」などの文言を、交渉を始める段階の書類やメールに書きます[17](詳しくは海外在住者の請求書に日本の消費税は必要?)。

源泉徴収と著作権の扱い

源泉徴収は、報酬を支払う取引先が所得税を差し引いて国に納める仕組みで、義務を負うのは支払者です[18][19]。差し引かれるかどうかで受け取る額が変わるので、源泉徴収の有無と税率は見積の段階で取引先と確認しておきます。

日本に住む方

取引先が法人や給与を支払っている個人事業主などの源泉徴収義務者なら、個人に払うデザイン料や原稿料などから10.21%(1回の支払が100万円を超える部分は20.42%)が源泉徴収されます[18][20]。給与の源泉徴収義務がない個人が支払う場合や、法人への支払では、原則として源泉徴収はありません[21][22]。

韓国など日本国外に住む方

韓国で行った作業だけの対価なら、日本の源泉徴収はありません[23]。著作権の譲渡(買取り)や利用許諾の対価が含まれる場合は、使用料として20.42%が源泉徴収されます。受益者が韓国の居住者で、取引先を通じて「租税条約に関する届出書」を最初の支払日の前日までに提出すれば、10%になります[19][24][25][26]。使用料に当たるかは契約の名目ではなく実質で判断されるため[27]、見積の段階で著作権の扱いを決めて書き、税理士に確認します(詳しくは海外在住者の報酬は源泉徴収される?)。

見積書の保存期間

この節は、日本の所得税・法人税で帳簿書類の保存義務がある個人事業者と法人向けです。出した見積書も、控えを保存します。

  • 法人:取引に関して作成または受領した書類を、確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存します。青色申告で欠損金が生じた事業年度などは10年間です。保存する書類には、取引に関して相手方から受け取った見積書と、自分で作成した見積書の写し(写しがある場合)が含まれます[28][29]。
  • 個人事業者(青色申告):見積書は「その他の書類」に当たり、5年間です[30]。
  • 個人事業者(白色申告):業務に関して作成・受領した書類は5年間です[30]。

PDFやメールで見積書をやり取りした場合は電子取引に当たり、電子データのまま保存します[31]。書き損じたもの、正式な見積書の前の粗い試算、取引を希望する会社から一方的に送られてきた見積書などは、保存の必要はないとされています[31]。データの保存方法の要件は電子帳簿保存法のガイドで説明しています。

出す前に確認すること

  • 宛名・見積日・見積番号・件名・有効期限が、案件と合っているか
  • 明細の数量×単価、税率ごとの小計と税額、合計、上部の御見積金額が一致しているか
  • 消費税がかかる取引なら、金額が税抜か税込かを明記したか
  • 前提条件・納期・支払条件・追加作業の扱いを備考に書いたか。海外送金で受け取るなら、送金手数料の負担も書いたか
  • 消費税・登録番号・源泉徴収の扱いが、上の囲みのうち自分に当てはまる方になっているか

Dokoloでは

見積書の編集画面で入力した内容は、プレビューの見積書にそのまま反映されます。各欄の設定場所は次のとおりです。

  • 番号・日付・件名:「基本情報」の「見積書番号」「発行日」「有効期限」「件名」に入力します。新しい見積書の「見積書番号」には次の番号が自動で入り、「自動」と表示されます。直接書き換えることもできます。ログインしている場合、番号の形式と自動で付けるかどうかは「設定」の「文書番号」で変えられます。「有効期限」は空欄にすると見積書に表示されません。
  • 宛名:「宛先」の「会社名 / 氏名」に、「株式会社サンプル 御中」のように敬称まで入力します。
  • 登録番号・印鑑:「発行者」の「登録番号」ボタンで欄を追加して入力します。印影は「印鑑画像」で載せられます。ログインしている場合は、「設定」の「発行者情報」に入れた「登録番号(インボイス)」と、「設定」の「印鑑」で既定にした印影が新しい見積書に自動で入ります。
  • 消費税の表示:「明細」の「税・明細の設定」から開く「明細の設定」の「消費税の表示」で、「税別(税率ごとに表示)」「税込(内税表示)」「表示しない」から選びます。「表示しない」では税率と税額の欄が消え、見積書の表示は「御見積金額」と「合計」になります。日本の消費税がかからない取引の見積書も、この設定で作ります。
  • 端数処理:同じ「明細の設定」の「税計算」で、「小計計算」(初期値は四捨五入)と「税額計算」(初期値は切り捨て)を、「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」から選びます。端数処理は税率ごとに1回だけ行われます。適格請求書では、消費税額の端数処理は1枚につき税率ごとに1回と国税庁のQ&Aで示されています[13]。
  • 備考:「備考」に入力した内容が、見積書の「備考」欄に表示されます。前提条件・支払条件・著作権の扱いはここに書きます。
  • テンプレート:「スタイル・設定」タブの「テンプレート」で「デフォルト」「モダン」「エレガント」「ポップ」から選びます。変わるのは書体・色の使い方・配置で、入力した項目はどのテンプレートでも印刷されます(テンプレートを選ぶ)。
  • 源泉徴収:見積書には源泉徴収の設定がありません。見積の段階で示すなら「備考」に書き、請求書を作るときに請求書の「明細の設定」の「源泉徴収」で設定します。

よくある質問

見積書に有効期限を書かないとどうなりますか。

書かなくても問題はなく、期限の長さにも法令の決まりはありません[3]。ただし、見積書が契約の申込みに当たる場合は、有効期限がなくても、民法525条により承諾の通知を受けるのに相当な期間は撤回できないと解説されています(撤回する権利を留保した場合を除きます)[3][6]。いつまでその金額で受けるかをはっきりさせるため、期限を書いておくのが一般的です[2]。

見積書は税抜の金額で出してもよいですか。

かまいません。見積書・契約書・請求書などは、総額表示義務の対象ではありません[4]。消費税がかかる取引なら、税抜か税込かを明記し、税込の合計も示しておくと、取引先が予算と比べやすくなります。

出した見積書はいつまで保存しますか。

日本の所得税・法人税で帳簿書類の保存義務がある場合、法人は原則7年、個人事業者は5年です[28][30]。PDFやメールでやり取りした見積書は、電子データのまま保存します[31]。

出典

  1. [1]
  2. [2]
  3. [3]
  4. [4]
  5. [5]
  6. [6]
  7. [7]

    国税庁 令和8年度税制改正特集(7・5・3割控除)

    令和8年度税制改正(2026年10月19日確認)一次資料

  8. [8]

    国税庁 No.6210 国外取引

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  9. [9]

    消費税法 第30条第1項(仕入れに係る消費税額の控除)

    e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月19日確認)一次資料

  10. [10]
  11. [11]
  12. [12]

    国税庁 No.6625 適格請求書等の記載事項

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  13. [13]
  14. [14]

    国税庁 No.6902 「総額表示」の義務付け

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  15. [15]

    国税庁 No.6102 消費税の軽減税率制度

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  16. [16]
  17. [17]
  18. [18]

    所得税法 第204条(源泉徴収義務)

    e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月19日確認)一次資料

  19. [19]
  20. [20]

    国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  21. [21]

    国税庁 No.2502 源泉徴収義務者とは

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  22. [22]

    国税庁 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  23. [23]

    国税庁 No.2878 国内源泉所得の範囲

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  24. [24]
  25. [25]

    国税庁 質疑応答事例 非居住者に支払う翻訳料

    令和7年8月1日現在の法令・通達等一次資料

  26. [26]
  27. [27]
  28. [28]

    国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  29. [29]

    法人税法施行規則 第59条第1項第3号・第67条第1項第1号(帳簿書類の整理保存)

    e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月19日確認)一次資料

  30. [30]
  31. [31]

最終確認日

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