電子帳簿保存法で請求書・領収書を保存する方法|電子取引の要件・検索要件の免除・保存期間
電子帳簿保存法のうち、2024年1月から義務になっている電子取引データの保存を中心に説明します。改ざん防止と検索の要件、検索要件が不要になる条件、保存期間、準備が間に合わないときの猶予措置、Dokoloでできることをまとめています。
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対象日本の所得税・法人税で帳簿書類の保存義務がある個人事業主・法人の方(日本で事業を行い、申告している方)。韓国など日本国外に住み、日本の取引先にPDFを送る方は、最初の囲みをご覧ください。
結論
- メールやWebでやり取りした請求書・領収書・見積書などは「電子取引」に当たり、所得税・法人税の保存義務者は、そのデータを電子データのまま保存する必要があります。紙に印刷して保存の代わりにすることはできません[1][2]。
- 保存には、改ざんを防ぐ4つの措置のうちいずれか1つ(真実性の確保)と、ディスプレイ等の備付けや検索機能(可視性の確保)が必要です[3]。専用のシステムがなくても、事務処理規程を定めて守る方法で真実性を確保できます[4]。
- 検索機能は、基準期間の売上高が5,000万円以下の場合か、出力した書面を日付・取引先ごとに整理している場合に不要になります。どちらも、税務職員のダウンロードの求めに応じられることが条件です[5]。
- 保存期間は、法人は原則7年(青色申告で欠損金が生じた事業年度などは10年)、個人事業者は書類の種類と申告の区分により5年か7年です。消費税の課税事業者が保存する請求書等と、交付した適格請求書の写しは7年です[6][7]。
- Dokoloでは、ログインして保存した書類は「交付済」になると変更も削除もできず、訂正は修正版として作ります。検索と一括ダウンロードも使えます。これだけで真実性の確保の措置に当たるかは確認できていないため、事務処理規程もあわせて定めてください。データを法定の期間保存する義務は、事業者ご自身にあります。
このページの内容電子帳簿保存法とは — 義務になっているのは電子取引データの保存
電子帳簿保存法とは — 義務になっているのは電子取引データの保存
電子帳簿保存法は、税務関係の帳簿書類をデータで保存できるようにする法律です。あわせて、電子データで取引情報をやり取りした場合の保存義務と保存方法も定めています[10]。帳簿や紙の書類をデータで保存するかどうかは事業者が選べますが、電子取引データの保存は義務です[10][1]。
「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式で行う取引です。取引情報とは、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書などに通常書かれる事項をいいます[1]。メール本文や添付ファイル、Webサイトを通じたやり取りも含まれます[1]。
保存するのは、受け取ったデータだけではありません。相手方に送った請求書・領収書などのデータも、紙の控えと同じように保存の対象です[1]。紙でやり取りした書類は電子取引に当たらないので、これまでどおり紙で保存します[1]。見積書のうち、書き損じや正式な見積書の前の粗い試算、一方的に送られてきた見積書などは、保存の必要はないとされています[1]。見積書の書き方は見積書の書き方で説明しています。
所得税・法人税の保存では、電子取引データを印刷した書面で保存する方法が、令和3年度の税制改正で廃止されました。書面での保存を事実上認めていた宥恕措置も、2023年(令和5年)12月31日で終わっています[2]。消費税法令で保存することとされている電子インボイスなどのデータは、これとは扱いが異なり、書面に出力して保存することも引き続き認められています[2]。
電子取引データの保存要件 — 真実性の確保と可視性の確保
電子取引データを保存するときは、真実性と可視性を確保するための要件を満たす必要があります[3]。真実性の確保は、次の4つの措置のうち、いずれか1つを行うことです[3]。
| 措置 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. タイムスタンプ付きで受け取る | タイムスタンプが付された後のデータを授受します[3]。 | 送る側がタイムスタンプを付けて送ってくる場合に使える措置です。 |
| 2. 受け取った後にタイムスタンプを付す | 速やかに(または業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付します[3]。 | 「通常の期間を経過した後」とするのは、付すまでの事務処理の規程を定めている場合に限られます[3]。 |
| 3. 訂正削除の記録が残る(またはできない)システムを使う | 訂正削除をするとその記録が残るシステム、または訂正削除ができないシステムで、データの授受と保存を行います[3]。 | 保存だけでなく、授受もそのシステム内で行う必要があります[11]。 |
| 4. 事務処理規程を定めて守る | 正当な理由がない訂正・削除を防ぐ事務処理規程を定め、備え付けて運用します[3]。 | 国税庁が規程のサンプルを公開しています[3]。専用のシステムがない場合でも使える方法です[4]。 |
データの受け取り方に応じて、複数の措置を使い分けてもかまいません[3]。たとえば、システム内でやり取りした分は3の措置、メールで受け取った分は4の規程で保存する、という組み合わせです。
可視性の確保 — 画面で見られて、検索できること
専用のシステムがない場合の保存例
国税庁は、配偶者と2人で事業を営む個人事業主がメールでPDFの請求書を受け取った場合の例として、次の方法なら要件を満たすとしています[8]。
- ファイル名に、日付・取引先・金額を規則的に入れる(例:「20261130_株式会社サンプル_110000」)[8]。
- 「取引先ごと」「月ごと」など、決めたフォルダに入れて保存する[8]。
- 事務処理規程を定めて備え付け、規程どおりに運用する[8]。
ファイル名の代わりに、連番を付けて内容を索引簿(表計算ソフトの一覧表など)で管理する方法もあります[8]。バックアップは法令上の要件ではありませんが、保存期間を通じて適切に保存するため、取っておくことが望ましいとされています[7]。
検索要件が不要になる条件 — 売上高5,000万円以下と出力書面の整理
次のどちらかに当たり、かつ税務職員のダウンロードの求めに応じられるようにしている場合は、検索機能の確保の要件がすべて不要になります[5][4]。
- 判定期間に係る基準期間の売上高が5,000万円以下:個人事業者は電子取引を行った年の前々年1月1日〜12月31日、法人は電子取引を行った事業年度の前々事業年度の売上高で判断します[5]。
- 出力した書面を整理している:電子取引データを印刷し、課税期間ごとに日付順・取引先ごとに整理して、提示・提出できるようにしている場合です(売上高は問いません)[5]。
ここでの売上高は、消費税の課税売上高とは別のものです。税抜で判断し、非課税売上も含むため、消費税の免税事業者でも5,000万円を超えることがあります[5]。基準期間がない新規開業の年と翌年は、検索機能の確保は不要です(この場合もダウンロードの求めに応じられることが条件です)[5]。
書面を整理する方法を選ぶ場合は、日頃から印刷して整理しておきます。税務調査の際に遅滞なく提示・提出できないと、条件を満たしていないと判断される可能性があります[5]。
電子取引データの保存期間 — 法人・個人事業者・消費税の課税事業者
電子取引データの保存期間は、紙の帳簿書類と同じく、所得税法・法人税法などで定められた期間です[7]。「請求書は7年」とひとくくりにせず、自分がどの区分に当たるかで確認します。
| 区分 | 保存期間 | 数え始め |
|---|---|---|
| 法人(青色・白色) | 注文書・契約書・領収書などの書類は7年。青色申告で欠損金が生じた事業年度などは10年です[6][7]。 | 確定申告書の提出期限の翌日[7] |
| 個人事業者(青色申告) | 領収証などの現金預金取引等関係書類は7年(前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下なら5年)。請求書・見積書・契約書・納品書などその他の書類は5年です[7][12]。 | 作成または受領の日の属する年の翌年3月15日の翌日[7] |
| 個人事業者(白色申告) | 業務に関して作成・受領した請求書・納品書・送り状・領収書などの書類は5年です[7][12]。 | 同上[7] |
| 消費税の課税事業者・適格請求書発行事業者 | 仕入税額控除の要件として保存する請求書等と、交付した適格請求書の写し・提供した電磁的記録は、上の区分にかかわらず7年です[7][12]。 | — |
適格請求書発行事業者として請求書をPDFで送った場合、そのデータは個人事業者でも7年保存します[7]。適格請求書の書き方は請求書の書き方で説明しています。
要件どおりに保存できないとき — 猶予措置
システムや社内の手順の整備が間に合わないなど、要件どおりに保存できないことに「相当の理由」があると、税務署長が認める場合があります。その場合は、要件にかかわらずデータを保存すれば足ります。ただし、税務調査の際に、データのダウンロードの求めと、印刷した書面の提示・提出の求めの両方に応じられることが条件です[2][4]。
この猶予措置を受けるために、税務署へ事前に申請する必要はありません。人手不足や資金不足も理由として認められるとされています[4]。一方、データを消して印刷した書面だけを保存する対応は、この措置でも認められません[2]。
相当の理由などがなく、要件どおりに保存していない場合は、青色申告の承認の取消しの対象になり得ます。取り消すかどうかは、違反の程度などを総合的に見て判断するとされています[2]。
保存の方法を決めるときに確認すること
- メールやWebでやり取りした請求書・領収書・見積書のデータを、消さずに保存しているか
- 真実性の確保の措置を決めたか。専用のシステムがなければ、事務処理規程を定めて運用しているか
- 日付・金額・取引先で検索できるか。できない場合、売上高5,000万円以下などの条件に当たり、ダウンロードの求めに応じられるか
- 自分の区分(法人/個人の青色・白色/課税事業者)の保存期間まで、データを残せる保存先を用意したか
よくある質問
メールで受け取った請求書を印刷して保存すれば足りますか。
所得税・法人税の保存としては足りません。電子取引データを印刷した書面で保存する方法は廃止されており、データそのものを保存します[2]。要件どおりにデータを保存したうえで、管理のために印刷した書面を一緒に保管するのはかまいません[3]。
売上高が5,000万円以下なら、電子帳簿保存法の対応は不要ですか。
不要にはなりません。不要になるのは検索機能の確保だけで、税務職員のダウンロードの求めに応じられることが条件です[5]。データを消さずに保存すること、真実性の確保の措置、ディスプレイ等の備付けは、売上高にかかわらず必要です[4]。
Dokoloを使えば電子帳簿保存法に対応できますか。
Dokoloを使うだけで対応できるとは言えません。Dokoloでは交付済の書類を変更も削除もできません。しかし措置3では、データの授受もシステム内で行い、保存期間を通じて措置を講じる必要があります[11]。Dokoloの「メールで送る」がこれに当たるかは確認できていません。Dokoloで作成・交付した書類も含め、事務処理規程(措置4)を定めて運用してください[3]。ログイン後に使える検索と一括ダウンロードは、保存を支える機能です。アカウントを削除するとDokoloには何も残らないため、法定の期間はご自身でもデータを保管してください。
出典
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- [2]
- [3]
- [4]
令和5年12月一次資料
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- [6]
令和8年4月1日現在法令等一次資料
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国税庁 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問17(保存期間)
令和8年7月一次資料
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- [9]
- [10]
2026年10月19日確認一次資料
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- [12]
国税庁 暮らしの税情報(令和8年度版)記帳や帳簿等保存・青色申告
令和8年度版一次資料
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国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問33(修正した適格請求書の交付方法)
令和5年10月改訂一次資料
最終確認日