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海外在住者の請求書に日本の消費税は必要?国外取引とリバースチャージの表示

韓国など海外在住の方が日本の事業者に請求するとき、日本の消費税を上乗せするかどうかを取引の種類ごとに説明します。リバースチャージの対象取引で見積書や請求書に書く文言の例も載せています。

  • 最終確認日
  • 出典10件
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対象韓国など日本国外に住みながら日本の事業者に請求する個人・法人(日本に事務所などの拠点を持たない方)。

結論

  1. デザインやソフトウェア開発などの受注制作を韓国で行い、成果物をインターネットで納品する取引は国外取引です。日本の消費税は課税されない(不課税)ので、請求書に消費税を上乗せする根拠はありません[1][2]。
  2. 電話・メールによる継続的なコンサルティング、オンライン講座、SaaS・クラウド、配信、ネット広告は「電気通信利用役務の提供」です。日本の取引先に提供すると国内取引になります[3][4]。
  3. そのうち事業者向けのものは、取引先がリバースチャージ方式で申告・納税するので、請求額に日本の消費税は含めません。取引先が実際に申告するのは、一般課税で課税売上割合が95%未満の課税期間だけです[3][2]。
  4. リバースチャージの対象なら、取引先に納税義務がある旨を「あらかじめ」表示する義務があります。決まった文言はなく、交渉を始める段階の書類やメールから書きます[5][2]。
  5. 消費者向けの電気通信利用役務、日本に来て行う作業、物品の販売は扱いが違います。下の表で自分の取引を確かめてください[1][3]。

日本の消費税がかかるかは取引の種類で決まる

サービス(役務の提供)が国内取引かどうかは、原則としてサービスを行った場所で判定します。国外取引には消費税が課税されません(不課税)[1]。

ただし、インターネットなどを介した「電気通信利用役務の提供」は、サービスを受ける側の住所等で判定します。日本の取引先に提供すれば、国外から行っても課税対象です[1]。

取引判定の基準結果
受注制作(デザイン・ソフトウェア開発など)を韓国で行い、インターネットで納品サービスを行った場所。電気通信利用役務には当たらない[2][4]国外取引(不課税)[1]
著作権の譲渡・貸付け譲渡・貸付けをする人の住所地[6]韓国に住所があれば国外取引
日本と韓国にまたがるサービスで、対価をそれぞれに分けていないサービスに係る事務所等の所在地[1]韓国の事務所なら国外取引
電話・メールによる継続的なコンサルティング、オンライン講座、SaaS・クラウド、電子書籍や音楽の配信、ネット広告電気通信利用役務。サービスを受ける側の住所等[4][2]日本の取引先なら国内取引
日本に来て現場で行う作業サービスを行った場所[1]国内取引。芸能・スポーツ等の特定役務の提供はリバースチャージの対象(取引先が申告するのは一般課税・課税売上割合95%未満の課税期間)[3]
物品の販売譲渡するときに物品がある場所[1]「日本での現場作業と物品の販売」を参照
韓国から日本の事業者に提供する場合の判定

受注制作をネットで納品する場合は国外取引

国税庁のQ&Aは、著作物の制作を国外事業者に依頼し、成果物の受領や制作過程の指示をインターネットで行う取引を、電気通信利用役務に当たらないとしています。インターネットは制作に付随して使われているだけだからです[2]。

基本通達も、国外でソフトウェアを開発し、完成品をインターネットで送信するものを、当たらない例に挙げています[4]。こうした取引は、サービスを行った韓国で判定するので国外取引です[1]。

国外取引には日本の消費税がかからないため、請求書は消費税の欄を設けず、本体の金額だけで作ります[1]。

電気通信利用役務に当たる場合 — 事業者向けか消費者向けか

基本通達は電気通信利用役務の提供の例として、インターネットを介した電子書籍の配信、音楽・映像の視聴、ソフトウェアの利用、広告の掲載、電話・電子メールによる継続的なコンサルティングなどを挙げています[4]。インターネットを介した英会話教室も該当します[2]。

このうち「事業者向け」に当たるのは、サービスの性質や取引条件から、受ける側が通常事業者に限られるものです。ネット広告の掲載のように性質から明らかなものと、取引先ごとに内容を取り決めた契約で、事業として使うことが明らかなものがあります[4][2]。

消費者も広く申し込めるクラウドサービスや配信は、規約で事業者向けとうたっていても、申込みを事実上制限できなければ事業者向けではありません[4]。

事業者向け — 取引先がリバースチャージで申告する

事業者向けの電気通信利用役務は、サービスを受けた日本の事業者が「特定課税仕入れ」として申告・納税します。これをリバースチャージ方式といいます[3]。

取引先が支払う対価の額には、消費税等に相当する額が含まれない扱いです[2]。請求書は消費税を上乗せせず、本体の金額で作ります。

取引先が実際にリバースチャージで申告するのは、一般課税で、その課税期間の課税売上割合が95%未満の場合だけです。それ以外の課税期間では特定課税仕入れは「なかったもの」とされ、申告も仕入税額控除もしません[3][2]。取引先が免税事業者なら、申告は不要です[3]。

リバースチャージの表示 — 交渉の段階から「あらかじめ」書く

事業者向けの電気通信利用役務を提供する事業者は、取引先が消費税を納める義務がある旨を、提供に際して「あらかじめ」表示しなければなりません[5]。日本で課税事業者かどうかにかかわらず、国外事業者にはこの義務があります[4]。

法令で決まった文言はありません。国税庁のQ&Aは、次のような表示を例に挙げています[2]。

表示の例1(国税庁Q&A 問20)

日本の消費税は役務の提供を受けた貴社が納税することとなります。

表示の例2(国税庁Q&A 問20)

日本の消費税のリバースチャージ方式の対象取引です。

表示する場所として、国税庁は次の例を示しています。いずれも、取引の相手方があらかじめ自分に納税義務があると認識できるようにするためのものです[2]。

  • ウェブサイトでサービスを紹介している場合は、規約や価格を表示している場所
  • カタログなどを発行している場合は、取引相手が容易に認識できる場所
  • 対面やメールで取引内容を交渉する場合は、交渉を始める段階で取り交わす書類やメール

受注のたびに見積書を出すなら、最初の提案メールと見積書から文言を入れます。契約書と請求書にも同じ文言を入れておくと、取引先が後から確認できます。請求書だけに書いて「あらかじめ」の要件を満たすかを示した国税庁の資料は、確認できていません。

表示がなかったとしても、取引先の納税義務は変わりません[4][2]。ただし、それで表示の義務がなくなるわけではありません[5]。

消費者向け — 自分で申告・納税することがある

事業者向け以外の電気通信利用役務(消費者向け)は、提供する国外事業者が日本で申告・納税します[3]。誰でも申し込めるオンライン講座やSaaSを日本の利用者に売る場合が当たります[4]。

国外事業者にも事業者免税点制度があり、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として納税義務が免除されます。判定に使うのは日本国内で行った課税売上げで、事業者向けの電気通信利用役務と、下で説明する特定役務の提供の売上げは除きます。プラットフォーム課税の対象になる売上げも数えません[2]。ただし、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合や、特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合などは、免除されません[8]。

アプリストアなどのプラットフォームを介して販売し、国税庁長官の指定を受けたプラットフォーム事業者(特定プラットフォーム事業者)を通じて対価を受け取る場合は、その事業者が申告・納税します。2025年(令和7年)4月1日以後の取引が対象です[7]。

日本の事業者が消費者向けの電気通信利用役務を仕入税額控除の対象にするには、原則として、売手から交付を受けた適格請求書の保存が必要です。国税庁は、売上先を踏まえて適格請求書発行事業者の登録を検討するよう示しています[2]。

日本での現場作業と物品の販売

日本に来て現場で行う作業は国内取引です[1]。次の特定役務の提供を除き、消費税を申告・納税するのは提供した側で、事業者免税点制度の判定も上と同じように行います[2]。

国外事業者が日本で他の事業者に対して行う役務の提供のうち、芸能人や職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業として行うものは「特定役務の提供」です。映画・テレビへの出演、演劇・演奏、スポーツ競技大会への出場などが当たります。不特定かつ多数の者に対して行うものは除かれます[2]。

特定役務の提供は、提供を受けた事業者がリバースチャージ方式で申告・納税します。取引先が実際に申告するのは、一般課税で課税売上割合が95%未満の課税期間だけです[3]。請求額に日本の消費税は含めません[2]。

事業者向けの電気通信利用役務と同じく「特定資産の譲渡等」に当たるので、取引先に納税義務がある旨を「あらかじめ」表示する義務もあります[5][4]。表示の例と場所は「リバースチャージの表示」を見てください。

物品の販売は、譲渡するときに物品がある場所で判定します[1]。物品を日本に輸入するときの消費税は、保税地域から引き取る人(輸入申告をする人)が納めます[9]。

2028年(令和10年)4月1日以後は、通信販売で国外から日本国内に送る、1個の対価が1万円(税抜き)以下の物品の販売が、国内取引として課税対象になります。売手は国外事業者でも申告・納税が必要です(消費税の免税事業者を除きます)[10]。

この場合も、一定のプラットフォームを介して販売し、対価もそこを通じて受け取るものは、プラットフォーム事業者が申告・納税します[10]。

請求書・見積書の消費税欄と書き添えること

取引消費税の欄書き添えること
受注制作のネット納品などの国外取引設けない。本体の金額だけを請求する[1]リバースチャージの表示は不要。電気通信利用役務ではないため[2]
事業者向けの電気通信利用役務設けない。対価に消費税相当額を含めない[2]リバースチャージの表示。見積書や交渉のメールから書く[5][2]
芸能・スポーツ等の特定役務の提供設けない。対価に消費税相当額を含めない[2]リバースチャージの表示[5][4]
消費者向けの電気通信利用役務国外事業者が自ら申告・納税する取引なので、納税義務がある場合は記載する[3]取引先の仕入税額控除には、原則として適格請求書が必要[2]
日本に来て行う作業(芸能・スポーツ等の特定役務の提供を除く)国内取引なので、日本で納税義務がある場合は記載する国内取引の請求書として作る。項目は請求書の書き方を参照
取引の種類ごとの書き方

送る前に、次の点を確かめます。

  • 取引ごとに、国外取引か電気通信利用役務かを、上の判定表で確かめたか
  • 電気通信利用役務なら、事業者向けか消費者向けかを、サービスの性質と契約の内容で確かめたか[4]
  • 事業者向けなら、最初の見積書や提案メールにリバースチャージの表示を入れたか[2]
  • 国外取引と事業者向けの電気通信利用役務の請求書に、日本の消費税を上乗せしていないか
  • 翻訳・映像編集・1回限りのオンライン相談など、国税庁の例にない取引を税理士に確認したか

Dokoloでは

請求書と見積書の編集画面で、日本の消費税を付けない書類と、リバースチャージの表示を次のように作ります。

  • 消費税を付けない:「明細」の「税・明細の設定」から開く「明細の設定」の「消費税の表示」で、「表示しない」を選びます。画面の説明のとおり、免税事業者のためだけの設定ではありません。国外取引や事業者向けの電気通信利用役務のように、日本の消費税がかからない取引の書類もこの設定で作ります。
  • 表示の変わり方:「表示しない」では税率と税額の欄が消え、合計は明細金額の合計になります。「明細」の見出しの横には「消費税なし」と表示されます。「発行者」に登録番号を入力したまま選ぶと、適格請求書等の記載要件を満たさないという警告が出ます。
  • リバースチャージの表示:Dokoloは表示の文言を自動では入れません。上の例文をコピーし、請求書では「振込先・備考」の「備考」、見積書では「備考」に貼り付けます。書類の「備考」欄に表示されます。
  • メールで送るとき:ログインしている場合は、編集画面の「送付して交付…」で「メールで送る」を選ぶと、「メッセージ」に本文を書けます。見積書を送るメールの本文にも、同じ文言を書いておけます。メールで送ると書類は交付済になり、内容を編集できなくなります。

よくある質問

取引先から消費税を付けて請求するよう言われたら、どうすればよいですか。

まず、その取引が国外取引に当たるかを確かめます。受注制作のネット納品のような国外取引なら、日本の消費税は課税されないので、上乗せする根拠はありません[1][2]。継続的なオンライン相談のような電気通信利用役務なら、事業者向けか消費者向けかで扱いが変わります[3]。判断が分かれるときは、取引先の経理担当者と相談し、税理士にも確認します。

リバースチャージの文言は、請求書に書けば足りますか。

請求書だけで足りるかを示した国税庁の資料は、確認できていません。国税庁は、交渉を始める段階で取り交わす書類やメールに明記するよう示しています[2]。見積書や提案のメールから書き、請求書にも同じ文言を入れておきます。

リバースチャージの対象なら、取引先は必ず消費税を申告しますか。

いいえ。申告するのは、一般課税で課税売上割合が95%未満の課税期間だけです[2]。それ以外の課税期間や、取引先が免税事業者の場合は申告しません[3]。どちらでも、請求額に日本の消費税を含めない点は同じです[2]。

日本で消費税の申告が必要になるのは、どんなときですか。

消費者向けの電気通信利用役務や、日本での現場作業(芸能・スポーツ等の特定役務の提供を除く)など、自分で申告・納税する国内取引の売上がある場合です[3]。基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として納税義務は免除されます[2]。ただし、適格請求書発行事業者の登録を受けていれば、売上の規模にかかわらず免除されません。特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合なども同じです[8]。2028年4月1日以後は、1個1万円(税抜き)以下の物品の通信販売も対象に加わります[10]。

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このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。個別の取引の扱いは税理士にご確認ください。