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請求書の書き方|番号付きサンプルで見る記載項目とインボイス対応

請求書の書き方を、番号付きのサンプル請求書と明細表の拡大図で順に説明します。インボイス(適格請求書)の記載事項と、消費税額の端数処理のルールもまとめています。

  • 最終確認日
  • 出典25件
  • 約13分で読めます

対象日本の取引先に請求書を作って送る個人事業主・法人の方。日本に住む方も、韓国など日本国外に住む方も対象です。

結論

  1. よく使われる構成は、宛名、請求書番号と請求日、件名と請求金額、発行者と登録番号、明細表、振込先、備考の7ブロックです。
  2. 適格請求書(インボイス)として交付するには、6つの事項を書きます。発行者の氏名または名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額等、受け取る事業者の氏名または名称です[1]。
  3. 適格請求書では、消費税額の1円未満の端数処理は1枚につき税率ごとに1回です。明細の行ごとに端数処理して合計する方法は認められません[2]。
  4. 消費税・登録番号・源泉徴収の扱いは、日本に住む方と韓国など日本国外に住む方とで変わります。該当する欄では、両者を囲みで分けて説明します。

請求書の役割と送る時期

請求書は、商品やサービスを提供したあとに、取引先へ代金の支払いを求める書類です。支払いが済んだことを証明する領収書とは役割が違います[3]。

インボイス制度の下で買手が仕入税額控除を受けるには、一定の事項を記載した帳簿と適格請求書(インボイス)等の保存が必要です。適格請求書は、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者でなければ交付できません[4]。制度の全体は、インボイス制度とはで説明しています。

送る時期は、納品・検収の完了や月末の締め日など、取引先と取り決めた条件に合わせます。支払期限から逆算して、取引先の支払手続に間に合うように送ります。

番号付きサンプルで見る請求書の書き方

下のサンプルは、Dokoloで作った請求書を7つのブロックに分けて番号を付けたものです。番号順に、何を書くかを説明します。

番号付きの請求書サンプル。1 宛名、2 請求書番号と請求日、3 件名とご請求金額、4 発行者と登録番号、5 明細表、6 振込先、7 備考
請求書全体を1〜7のブロックに分けたサンプル。金額・会社名・口座はすべて架空です。

1. 宛名

請求先の会社名または氏名を書きます。適格請求書では「書類の交付を受ける事業者の氏名または名称」が記載事項の一つです[1]。

敬称は、会社・部署あてなら「御中」、個人あてなら「様」を付けます。1つの宛名に「御中」と「様」を併用しないのが一般的です[5]。

  • 株式会社サンプル 御中
  • 株式会社サンプル 経理部 御中
  • 株式会社サンプル 経理部 山田 太郎 様
  • 山田 太郎 様

2. 請求書番号と請求日

請求書番号は、自社で請求書を探したり、取引先と入金を照合したりするための管理番号です。連番や案件番号を使います。請求書番号は適格請求書の記載事項には含まれていません[1]。

請求日は請求書を発行した日です。記載事項の「取引年月日」は取引を行った日のことで、請求日とは別です[1]。サンプルでは、明細表(ブロック5)の「取引日」列に書いています。1か月分の取引をまとめて1枚に記載する方法も認められています[1]。

支払期限を書く場合は、請求日の下にまとめると取引先が見落としにくくなります。

3. 件名と請求金額

件名には案件名や対象期間を書き、何の請求かが一目で分かるようにします。その下の「ご請求金額」は、明細表(ブロック5)の合計(税込)と同じ額にします。

4. 発行者と登録番号

自分の氏名または名称を書き、登録している場合は登録番号も書きます。適格請求書では、この2つが記載事項の1つ目(適格請求書発行事業者の氏名または名称と登録番号)にあたります[1]。登録番号は、法人番号を持つ事業者なら「T+法人番号」、それ以外の事業者なら「T+13桁の数字」です[4]。登録の申請先や公表サイトでの確認は、インボイス制度とはで説明しています。

住所・電話番号・FAX・印影は記載事項に含まれていません[1]。問い合わせ先として、住所や電話番号を書いておくのが一般的です[6]。

日本に住む方

登録番号を持てるのは適格請求書発行事業者だけです。登録すると、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも免税事業者にはなりません[4]。登録番号のない請求書の場合、一般課税で申告する取引先は、経過措置により仕入税額相当額の70%しか控除できません。この割合は2026年10月1日から2028年9月30日までのものです[7]。経過措置の詳しい内容と、2割特例・3割特例は、2割特例と経過措置で説明しています。

韓国など日本国外に住む方

韓国で行った受注制作のように国外取引(不課税)だけを行う場合、適格請求書の交付義務はありません[8]。取引先が仕入税額控除できるのは国内で行った課税仕入れ等で、国外取引は対象になりません。そのため、登録しても取引先にとっての利点はありません[9]。一方、登録すると、売上の規模にかかわらず日本で消費税の申告・納税が必要になる場合があります[4](詳しくは国外事業者のインボイス登録は必要?)。

5. 明細表

取引日・内容・数量・単価・税率・金額を1行ずつ並べ、税率ごとの小計と税額、合計までをまとめるブロックです。列ごとの書き方は次の「明細表の書き方」で説明します。

6. 振込先

金融機関名と支店名、口座の種類・番号・名義を書きます。振込先は適格請求書の記載事項ではありません[1]。ただ、口座情報を誤ると入金が遅れるため、送る前に通帳やネットバンキングの表示と照らし合わせます。

日本国外の口座で受け取る場合は、送金に必要な情報も書きます。日本の銀行は外国送金の依頼時に、受取銀行のSWIFTコード(BIC)、受取人のフルネーム、国名・都市名を含む実際の住所、口座番号の記載を求めています[10]。これらを英語で書いておくと、取引先がそのまま送金手続に使えます。

7. 備考

支払条件、振込手数料をどちらが負担するか、対象期間、軽減税率の対象を示す記号(※)の意味など、ほかの欄に入らない補足を書きます。

明細表の書き方

明細表は、何にいくら請求しているかの根拠になる部分です。下の拡大図の番号に沿って、列ごとに書く内容を確認します。

番号付きの明細表サンプル。1 取引日、2 内容、3 税率区分、4 数量、5 単位、6 単価(税抜)、7 税率、8 金額(税抜)、9 税率ごとの対象小計、10 税率ごとの税額、11 合計(税込)
明細表の列と集計欄を1〜11に分けた拡大図。制作・開発の作業の行は10%、打合せ用飲料(ペットボトル)の行は※付きの8%です。
番号列書くこと
1取引日作業日や納品日など、取引を行った日。適格請求書の記載事項「取引年月日」にあたります[1]。
2内容品名や作業内容。記載事項の「取引内容」です[1]。あとから第三者が見ても何の取引か分かるように書きます。
3税率区分軽減税率(8%)の対象行に「※」などの記号を付け、記号の意味を表の下に書きます[1]。
4数量件数・時間・月数など。定額の作業なら「1」とします。
5単位「式」「件」「時間」「月」など、数量の単位。
6単価(税抜)1単位あたりの金額。サンプルは税抜です。税込で書く場合は、明細全体を税込にそろえます。
7税率10%または8%。
8金額(税抜)数量×単価の金額。
明細表の列ごとの書き方

9〜11. 税率ごとの小計・税額・合計

⑨は税率ごとに合計した対価の額、⑩は税率ごとの消費税額等です。適格請求書では、この2つと適用税率を書きます。対価の額は税抜・税込のどちらで書いてもかまいません[1]。

適格請求書では、消費税額の1円未満の端数は、1枚の請求書につき税率ごとに1回処理します。切捨て・切上げ・四捨五入のどれを使ってもかまいません。ただし、明細の行ごとに消費税額を計算して端数処理し、その合計を書く方法は認められません[2]。

⑪の合計(税込)は⑨と⑩を足した額です。上部の「3. 件名と請求金額」のご請求金額と一致しているかを確認します。

軽減税率と消費税の欄

軽減税率8%(2026年10月現在)の対象は、酒類と外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される定期購読の新聞です[11]。サンプルの「打合せ用飲料(ペットボトル)」は飲食料品なので8%で、※を付けています。原稿作成や開発などの作業は軽減税率の対象品目ではないので、標準税率の10%です[11]。

なお、令和9年(2027年)4月1日から令和11年(2029年)3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%(国・地方合計)に引き下げる政府案が、2026年9月15日に閣議決定されています。法案が成立した場合の内容で、2026年10月22日現在、法案はまだ成立していません[12]。

日本に住む方

適格請求書として交付するなら、⑦の税率、⑨の税率ごとの対価の額、⑩の税率ごとの消費税額等を書きます[1]。登録していない場合の扱いは「4. 発行者と登録番号」の囲みをご覧ください。

韓国など日本国外に住む方

デザインやソフトウェア開発などの受注制作を韓国で行い、成果物をインターネットで納品する場合は、ほとんどが国外取引です。日本の消費税はかかりません(不課税)[13][14]。継続的なオンライン相談・オンライン講座・SaaSなどの電気通信利用役務や、日本に来て行う作業は扱いが変わります[13](詳しくは海外在住者の請求書に日本の消費税は必要?)。

源泉徴収税額を書く場合

源泉徴収は、報酬を支払う側(取引先)が所得税を差し引いて国に納める仕組みで、義務を負うのは支払者です[15][16]。請求書に源泉徴収税額を書くのは、差し引かれる額と振り込まれる額を取引先と確認し合うための、実務上の記載です。

書く場合は、合計(税込)の下に「源泉徴収税額」、その下に合計から差し引いた「差引ご請求金額」を並べ、実際に振り込まれる額が分かるようにするのが一般的です[17]。

日本に住む方

法人や給与を支払っている個人事業主などの源泉徴収義務者は、個人に払う原稿・デザインの報酬や講演料などから10.21%(1回の支払が100万円を超える部分は20.42%)を源泉徴収します[15][18]。給与の源泉徴収義務がない個人が支払う場合や、法人への支払では、原則として源泉徴収はありません[19][20]。対象になる報酬、消費税の扱い、計算例は請求書の源泉徴収で説明しています。

韓国など日本国外に住む方

韓国で行った作業だけの対価なら、日本の源泉徴収はありません[21]。著作権の利用許諾や譲渡(買取り)の対価が含まれる場合は、使用料として20.42%が源泉徴収されます。受益者が韓国の居住者で、取引先を通じて「租税条約に関する届出書」を最初の支払日の前日までに提出していれば、10%になります[16][22][23][24]。日本の居住者向けの10.21%は適用されません[16](詳しくは海外在住者の報酬は源泉徴収される?)。

送る前に確認すること

  • 宛名・請求日・請求書番号・件名が、実際の取引と合っているか
  • 明細の数量×単価、税率ごとの小計と税額、合計、上部のご請求金額が一致しているか
  • 適格請求書として交付するなら、登録番号・取引年月日・取引内容・税率ごとの対価の額と適用税率・消費税額等・宛名がそろっているか[1]
  • 振込先の口座情報、支払期限、振込手数料の負担が書かれているか
  • 消費税・登録番号・源泉徴収の書き方が、上の囲みのうち自分に当てはまる方になっているか

送ったあとに誤りが見つかったときの修正交付や再発行は、インボイスの修正・再発行で説明しています。

Dokoloでは

請求書の編集画面で入力した内容は、プレビューの請求書にそのまま反映されます。各欄の設定場所は次のとおりです。

  • 番号・日付・件名:「基本情報」の「請求書番号」「請求日」「支払期限」「件名」に入力します。新しい請求書の「請求書番号」には次の番号が自動で入り、「自動」と表示されます。直接書き換えることもできます。ログインしている場合、番号の形式と自動で付けるかどうかは「設定」の「文書番号」で変えられます。「支払期限」は空欄にすると請求書に表示されません。
  • 登録番号:「発行者」の「登録番号」ボタンで欄を追加して入力します。ログインしている場合は、「設定」の「発行者情報」に入れた「登録番号(インボイス)」が新しい請求書に自動で入ります。
  • 消費税の表示:「明細」の「税・明細の設定」から開く「明細の設定」の「消費税の表示」で、「税別(税率ごとに表示)」「税込(内税表示)」「表示しない」から選びます。「表示しない」では税率と税額の欄が消え、合計は明細金額の合計になります。日本の消費税がかからない取引の請求書も、この設定で作ります。登録番号を入力したまま「表示しない」を選ぶと、適格請求書の記載要件を満たさないという警告が出ます。「通貨」を円以外にして登録番号を入れ、消費税を表示する場合は、同じ「明細の設定」の「換算レート」を入力します。適格請求書の消費税額等は円換算した額を書く必要があるためで、レートを入れないと交付できません[25]。換算レートの決め方と計算例は外貨建ての請求書とインボイスで説明しています。
  • 端数処理:同じ「明細の設定」の「税計算」で、「小計計算」(数量×単価の端数。初期値は四捨五入)と「税額計算」(消費税額の端数。初期値は切り捨て)を、「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」から選びます。消費税額は税率ごとに1回だけ計算されます[2]。
  • 源泉徴収:「明細の設定」の「源泉徴収」で「なし」「あり(10.21%)」「あり(税率を指定)」から選び、対象にする明細を明細ごとの「源泉徴収の対象」で選びます。「あり(10.21%)」は日本の居住者に支払う場合の計算(100万円を超える部分は20.42%)です。日本国外に住む方が使用料として源泉徴収される場合は「あり(税率を指定)」を選び、「税率(%)」に20.42または10を入れます[16]。ただし、「通貨」を円以外にした請求書では、この設定は出ず、「外貨の文書では源泉徴収を計算しません(支払者が円換算して計算します)」と案内されます。
  • 源泉徴収の計算の基準:「税込金額(原則)」と「税抜金額(報酬と消費税額を区分記載)」から選びます。請求書で報酬と消費税額を明確に区分していれば、報酬の額だけを源泉徴収の対象にできます[18]。
  • 振込先・備考:「振込先・備考」の「金融機関」「口座情報」に入力した内容が請求書の「振込先」欄に、「備考」に入力した内容が「備考」欄に表示されます。ログインしている場合は、「設定」の「振込先」で「既定」にした口座が新しい請求書に自動で入ります。海外の口座に振り込んでもらうときは「海外の銀行口座」を選ぶと、英字の受取人名・住所やSWIFTコードの欄に変わり、振込先は見出しに「(海外送金)」が付いて英大文字で印刷されます。
  • テンプレート:「スタイル・設定」タブの「テンプレート」で「デフォルト」「モダン」「エレガント」「ポップ」から選びます。変わるのは書体・色の使い方・配置で、入力した項目はどのテンプレートでも印刷されます(テンプレートを選ぶ)。上の番号付きサンプルは「デフォルト」です。

よくある質問

請求書番号がないと適格請求書になりませんか。

請求書番号は適格請求書の記載事項ではないので、番号がなくても記載事項がそろっていれば適格請求書になります[1]。ただ、再発行や入金の照合で使うため、付けておくのが一般的です。

PDFで送った請求書でも適格請求書になりますか。

なります。適格請求書発行事業者は、紙の適格請求書の代わりに、PDFなどの電磁的記録で提供できます[8]。

1か月分の取引を1枚の請求書にまとめてもよいですか。

まとめられます。一定期間の取引をまとめて1枚の適格請求書に記載する方法が認められています[1]。その場合も、消費税額の端数処理は1枚の請求書につき税率ごとに1回です[2]。

出典

  1. [1]

    国税庁 No.6625 適格請求書等の記載事項

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  2. [2]
  3. [3]
  4. [4]
  5. [5]
  6. [6]
  7. [7]

    国税庁 令和8年度税制改正特集(7・5・3割控除)

    令和8年度税制改正(2026年10月19日確認)一次資料

  8. [8]
  9. [9]

    消費税法 第30条第1項(仕入れに係る消費税額の控除)

    e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月19日確認)一次資料

  10. [10]
  11. [11]

    国税庁 No.6102 消費税の軽減税率制度

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  12. [12]
  13. [13]

    国税庁 No.6210 国外取引

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  14. [14]
  15. [15]

    所得税法 第204条(源泉徴収義務)

    e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月19日確認)一次資料

  16. [16]
  17. [17]
  18. [18]

    国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  19. [19]

    国税庁 No.2502 源泉徴収義務者とは

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  20. [20]

    国税庁 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  21. [21]

    国税庁 No.2878 国内源泉所得の範囲

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  22. [22]
  23. [23]

    国税庁 質疑応答事例 非居住者に支払う翻訳料

    令和7年8月1日現在の法令・通達等一次資料

  24. [24]
  25. [25]

最終確認日

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このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。個別の取引の扱いは税理士にご確認ください。