日本で源泉徴収された税金を韓国で控除する — 外国納付税額控除(외국납부세액공제)
日本で源泉徴収された税金を、韓国で外国納付税額控除として扱う方法をまとめたページです。控除できる税金がある場合とない場合、控除限度額の計算式と繰越し、申請の書類、確認できていない点を韓国の法令の原文で説明します。
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対象韓国に住む個人(フリーランス・個人事業者)で、日本の取引先から受け取る対価が源泉徴収された方。韓国の法人(法人税)は扱いません。
結論
- 日本で源泉徴収された税額は、その対価が総合所得に含まれていれば、韓国の総合所得税(종합소득세)から控除限度額の範囲で控除できます(条約の限度を超えた分を除く)。これが外国納付税額控除です[1]。韓国で行った作業だけの対価は日本で源泉徴収されないので、控除する税額もありません[2]。
- 租税条約の制限税率(제한세율。日本の資料では「限度税率」)などで計算した税額を超える部分は、控除の対象外です[3]。租税条約に関する届出書が間に合わず、使用料から20.42%が差し引かれた場合、条約の10%(受益者が韓国居住者の場合)を超える差額は、日本に様式11で還付を請求する分です[4][5][6][7]。
- 控除限度額は「総合所得算出税額 × 国外源泉所得 ÷ 総合所得金額」です。超えた部分は、原則として10年間繰り越せます。国外源泉所得から費用を差し引いたことで生じた超過分は繰り越さず、翌課税期間の必要経費に入れられます[1][3]。
- 外国納付税額控除申請書(別紙第11号書式)は、原則として、その所得を含む課税期間の確定申告のとき、つまり翌年5月に一緒に出します[3][8][9]。
- ウォン換算の「納付した時」が源泉徴収日なのか日本の税務署への納付日なのか、事業所得を税額控除の代わりに必要経費に入れられるか、日本側の納付の証明として具体的に何を出すかは、確認できていません。日本に来て行った作業が条約で免除されるかは、ケースごとに違います。韓国の税理士(세무사)への確認が必要です。
このページの内容控除できる税金はあるか — 日本の源泉徴収のケース別
控除できる税金はあるか — 日本の源泉徴収のケース別
総合所得に国外源泉所得(국외원천소득)が含まれ、その所得に外国の所得税を納めたか、納めることになっている場合の規定です。控除限度額(공제한도금액)の範囲で、その税額を総合所得算出税額(종합소득산출세액)から控除できます[1]。
控除の対象は、外国政府に納めた税額のうち、個人の所得金額を課税標準として課された税額とその付加税額などです。加算税は除かれます[3]。
まず確かめるのは、日本の取引先が対価から源泉徴収をしたかどうかです。日本の源泉徴収は、対価の中身で決まります。詳しい基準は海外在住者の報酬は源泉徴収される?で説明しています。
| 対価の中身 | 日本の源泉徴収 | 韓国で控除の対象になるもの |
|---|---|---|
| 韓国で行った作業(役務の提供)だけの対価 | なし[2] | 控除する税額はありません |
| 著作権(ソフトウェアを含む)の利用許諾・譲渡の対価(使用料) | 20.42%。その支払日の前日までに、租税条約に関する届出書が取引先を通じて出ていれば10%(受益者が韓国居住者の場合)[4][5][6] | 条約の制限税率10%で計算した税額まで[3][6]。届出書が間に合わず20.42%で差し引かれた場合、10%を超える差額は控除の対象外です[3]。その差額は、日本に様式11で還付を請求します[7] |
| 日本に来て行った作業の対価 | 原則20.42%。租税条約で免除されることがあります[4] | 条約で免除される作業なのに届出書なしで差し引かれた場合、条約で計算した税額は0です。差し引かれた全額が控除の対象外です[3]。日本に還付を請求する分です[7]。免除の対象でなければ、控除限度額の範囲で控除の対象です[1](0.42%の分は下の注意を参照)。どちらに当たるかは税理士に確認 |
条約の限度を超えて差し引かれた分は、韓国の総合所得税の申告で控除に入れません[3]。使用料の場合、日本で取り戻す手続は最初の支払に間に合わなかったとき — 20.42%と様式11で説明しています。この様式11で請求できるのは、納付があった日から5年の間です[7]。日本に来て行った作業の対価なら、取り戻す手続と期限は日本の税理士に確認してください。
控除限度額と繰越し — 法律の計算式
控除できる金額には限度があります。法律の計算式は「控除限度額 = A × B ÷ C」です[1]。
限度額を計算するときの国外源泉所得は、国外源泉所得に対応する費用(直接費用・配分費用)を差し引いた金額です[3]。たとえば総合所得金額が4,000万ウォンで、費用を差し引いた国外源泉所得が1,000万ウォンなら、限度額は総合所得算出税額の4分の1です[1]。
個人地方所得税(개인지방소득세)でも、所得税で控除した外国納付税額の10%を控除でき、その控除額が限度を超える場合、超過分は翌課税期間から5年以内に終わる課税期間に繰り越されます(所得税の10年とは期間が違います)[11]。この条文は今も改正前の号番号で「所得税法57条1項1号」を引用しているため、適用の仕方は韓国の税理士に確認してください。個人地方所得税の申告書は、所得税の申告とは別に出します[12]。
限度額を超えた金額 — 10年の繰越しと例外
- 原則 — 10年の繰越し:限度額を超えた金額は、翌課税期間の開始日から10年以内に終わる課税期間に繰り越せます。繰り越した課税期間の限度額の範囲で控除します[1]。たとえば2026年の課税期間の超過分は、2027年から2036年の課税期間まで繰り越されます。
- 10年で使い切れなかったら:残った金額は、繰越控除期間(이월공제기간)が終わった日の翌日が属する課税期間に、必要経費に入れられます[1]。
- 例外 — 費用の差引きで生じた超過分:限度額を超えた金額のうち、直接・間接の費用に関連する分には、10年の繰越しを適用しません。この分は、費用を差し引く前の国外源泉所得で計算した限度額から、実際の限度額を引いた金額です。税額控除を受けられなかった課税期間の、翌課税期間の必要経費に入れられます[3]。
つまり「限度額を超えたらすべて10年繰越し」ではありません。超過分のうち費用に関連する分は、翌課税期間の必要経費で処理する規定です[3]。超過分を二つに分ける計算は、韓国の税理士に確認してください。
税額控除の代わりに必要経費に入れられるか
韓国の所得税法は、税額控除を適用する外国所得税額を必要経費(필요경비)に入れないと定めています[13]。また、事業所得以外の総合所得に対する外国納付税額は、税額控除の方法で控除すると定めています[3]。
所得税法57条1項は、2020年までは税額控除の方法と必要経費算入の方法のどちらかを選ぶ形でしたが、2021年からは税額控除だけを定めています。法律第17757号附則34条は、それ以前の課税期間分には従前の規定を適用するとしています[1][14]。
一方、57条2項ただし書は、繰越控除期間内に控除を受けられなかった外国所得税額を必要経費に算入できると定め、5項は「税額控除または必要経費算入に必要な事項」を大統領令に委任する文言を今も置いています。この二つは、上の選択の方法とは別の規定です[1]。
ただ、施行規則の別紙第11号書式には、「外国納付税額控除の適用」を「はい」「いいえ」で選び、「いいえ」の場合は「必要経費算入明細」を書く欄があります[8]。書式の記載要領と施行令117条6項は、事業所得以外の総合所得に対する外国納付税額は税額控除を適用すると書いているため、事業所得だけは税額控除を適用しないことができると読めます[8][3]。税額控除を適用しないと、所得税の控除額の10%を個人地方所得税から控除する規定(地方税特例制限法97条)も適用されません[11]。
必要経費への算入を選べると直接定めた条文は確認できておらず、個人の事業所得についての書面質疑への回答(질의회신)も見つかりませんでした。どちらが有利か、また必要経費への算入を選べるかは、所得と税額によって変わるため、韓国の税理士への確認が必要です。
申請 — 確定申告のときに外国納付税額控除申請書を出す
外国納付税額は、その国外源泉所得が課税標準に含まれる課税期間の算出税額から控除します。控除を受けるには、外国納付税額控除申請書(외국납부세액공제신청서)を出します。出すのはその課税期間の確定申告(확정신고)のときで、出す先は所轄の税務署長です[3]。書式は、所得税法施行規則の別紙第11号書式(별지 제11호서식)です[8]。外国政府の所得税の決定通知が遅れた、課税期間が違うなどの理由で確定申告と一緒に出せないときは、決定通知を受けた日から3か月以内に出せます[3]。
確定申告は、翌年の5月1日から31日までです[9]。誠実申告確認対象事業者(성실신고확인대상사업자)が誠実申告確認書(성실신고확인서)を出す場合は、6月30日までです(自分が対象かどうかは税理士に確認してください)[15]。最終日が土曜日・日曜日・祝日・労働節(노동절)にあたる場合は、その翌日が期限です[16]。たとえば2026年の課税期間の収入金額に含まれる日本の対価なら、2027年5月の申告で申請書を一緒に出します。総合所得税の申告そのものは、日本の取引先から受け取った報酬と韓国の総合所得税で説明しています。
書類 — 申請書と日本側の証明
別紙第11号書式は、外国納付税額控除申請書と、その明細書(国別の外国納付税額控除明細書、所得の種類別の外国納付税額明細書など)でできています[8]。
ウォン換算 — 「外国税額を納付した時」のレート
外国納付税額は、外国税額を納付した時のレートでウォンに換算します。使うのは、「外国為替取引法(외국환거래법)」による基準為替レート(기준환율)か裁定為替レート(재정환율)です[18]。
ただ、「納付した時」が、取引先が対価を支払って源泉徴収した日なのか、取引先がその税金を日本の税務署に納めた日なのかは、施行規則の文言だけでは決められません。国税庁は、日本の法人が支払時に源泉徴収せず、あとで修正申告・納付し、その税額を韓国の法人(内国法人)が日本の法人に返した事案で、日本の課税当局に税額を納付した時の基準為替レートを適用するよう回答しました(국제세원관리담당관실-279、2012-06-05)[19]。所得税法の事案の事前回答には、課税期間中に確定した外国納付税額が納期未到来や分割納付のためまだ納付されていないときは、その課税期間の終了日現在の基準為替レートを使う、というものもあります(사전-2019-법령해석소득-0283、2019-12-31)[20]。個人が日本の取引先から源泉徴収された一般的な場合にどの基準を使うかは、直接扱った回答を確認できていないので、韓国の税理士への確認が必要です。取引ごとに支払日、源泉徴収税額(円)、取引先の納付日(わかる場合)、入金日を一緒に記録しておけば、どの日を基準にしても計算し直せます。法律で決まった方法ではなく、整理のための提案です。
よくある質問
日本で20.42%を差し引かれました。全額を韓国で控除できますか。
使用料なら、全額ではありません。控除の対象は、条約の制限税率10%(受益者が韓国居住者の場合)で計算した税額までです[3][6]。届出書が間に合わず20.42%になった場合、10%を超える差額は日本に様式11で還付を請求します。期限は納付があった日から5年です[5][7]。日本に来て行った作業の対価なら、条約で免除されるかで変わります。上の表を見て、税理士に確認してください。
控除限度額を超えた金額は、なくなってしまいますか。
原則として10年間繰り越して、その年の限度額の範囲で控除できます。それでも残れば、繰越控除期間が終わった次の課税期間に、必要経費に入れられます[1]。ただし、国外源泉所得から費用を差し引いたことで生じた超過分は繰り越さず、翌課税期間に必要経費に入れられます[3]。
20.42%の全額を控除した後で、日本で差額の還付を受けました。
条約の制限税率を超える差額は、最初から韓国の控除の対象ではありません[3]。施行令117条5項は、外国政府が税額を更正して外国納付税額が変わった場合に、決定通知から3か月以内の申請の規定を準用し、還付税額が生じるときは国税基本法51条により充当または還付できると定めています[3]。施行規則60条6項は、国内で控除した外国納付税額を外国で還付されて国内で追加の税額を納めるときの、ウォン換算を定めています[18]。すでに出した申告をどの方法(修正申告(수정신고)など)で直すか、加算税が付くかは事実関係によって変わるため、韓国の税理士への確認が必要です。
出典
- [1]
2026. 1. 1. 시행 법률 제21221호 (조문 페이지 기준, 2026-10-21 확인)一次資料
- [2]
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [3]
소득세법 시행령 제117조(외국납부세액공제) 제1항·제2항·제3항·제4항·제5항·제6항·제10항
2026. 10. 1. 시행 대통령령 제36737호 (2026-10-21 확인)一次資料
- [4]
国税庁 No.2884 非居住者等に対する源泉徴収・源泉徴収の税率
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [5]
国税庁 No.2888 租税条約に関する届出書の提出(源泉徴収関係)
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [6]
財務省 日本国と大韓民国との間の租税条約(第12条 使用料)
2026年10月20日確認一次資料
- [7]
国税庁 A3-14 租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求(様式11)
2026年10月20日確認一次資料
- [8]
소득세법 시행규칙 제100조(일반서식) 제11호 — 별지 제11호서식
2026. 5. 22. 시행 재정경제부령 제33호 (조문 페이지 기준, 2026-10-21 확인)一次資料
- [9]
2026. 1. 1. 시행 법률 제21221호 (2026-10-20 확인)一次資料
- [10]
国税庁 防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A(Q5)
令和8年5月1日現在の法令・通達等一次資料
- [11]
지방세특례제한법 제97조(종합소득 외국납부세액공제 등) 제1항·제2항
2026. 6. 2. 시행 법률 제21738호 (2026-10-21 확인)一次資料
- [12]
지방세법 제95조(과세표준 및 세액의 확정신고와 납부) 제1항
2026. 1. 1. 시행 법률 제21308호 (조문 페이지 기준, 2026-10-21 확인)一次資料
- [13]
2026. 1. 1. 시행 법률 제21221호 (조문 페이지 기준, 2026-10-21 확인)一次資料
- [14]
소득세법 부칙(법률 제17757호, 2020. 12. 29.) 제34조(외국납부세액공제에 관한 경과조치)
2026. 1. 1. 시행 법률 제21221호 (조문 페이지 기준, 2026-10-21 확인)一次資料
- [15]
소득세법 제70조의2(성실신고확인서 제출) 제1항·제2항
2026. 1. 1. 시행 법률 제21221호 (조문 페이지 기준, 2026-10-21 확인)一次資料
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2026. 10. 2. 시행 법률 제21987호 (2026-10-21 확인)一次資料
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국세기본법 제85조의3(장부 등의 비치와 보존) 제2항
2026. 10. 2. 시행 법률 제21987호 (2026-10-21 확인)一次資料
- [18]
소득세법 시행규칙 제60조(외국납부세액공제) 제2항·제6항
2026. 5. 22. 시행 재정경제부령 제33호 (조문 페이지 기준, 2026-10-21 확인)一次資料
- [19]
국세청 국제세원관리담당관실-279 외국납부세액공제 적용 시 외국납부세액의 원화환산방법 (법인·일본 사안)
2012-06-05 회신 (2026-10-21 확인)一次資料
- [20]
국세청 사전-2019-법령해석소득-0283 확정된 외국납부세액을 분납 등으로 납부하지 아니한 경우 원화 환산 환율
2019-12-31 회신 (2026-10-21 확인)一次資料
最終確認日