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租税条約に関する届出書を受け取る支払者の手続 — 韓国の支払先の様式3を確認して税務署へ

韓国の支払先に著作権の使用料や買取りの対価を支払う経理担当者向けに、租税条約に関する届出書を支払先に依頼してから、自社の所轄税務署に提出するまでの手順を説明します。支払先への依頼メールの例も載せています。

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  • 出典14件
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対象韓国の個人・法人に報酬を支払う日本の事業者(経理担当)。自社は日本に住所や事務所があり、支払先は日本に事務所などの拠点を持たず、支払う対価が著作権などの使用料(譲渡の対価を含む)に当たる場合です。

結論

  1. 租税条約に関する届出書(様式3)は、支払先が支払者ごとに作って自社に渡します。自社は、最初に使用料を支払う日の前日までに、自社の所轄税務署長に提出します[1][2][3]。
  2. 提出先の欄には自社の所轄税務署、「3」の欄には自社の名称や所在地が入ります。支払先に依頼するときに伝えておきます[1][4]。
  3. 書面なら支払先から正副2部を受け取り、正本を税務署に持参または送付します。e-Taxでイメージデータを送ることもでき、その場合は自社の電子署名と電子証明書が必要です[2][5]。
  4. その支払日の前日までに提出されていない支払は、20.42%で源泉徴収します[3][6]。差額は支払先が様式11で還付を請求し、自社は「4」の欄を証明して提出します(納付があった日から5年)[7]。
  5. 日韓租税条約の使用料は10%への軽減で、免税ではありません[8]。様式3の注意事項が居住者証明書の添付を求めるのは免税の場合なので、10%の適用には求められていません[1]。

租税条約に関する届出書で支払者がすること — 依頼から提出まで

韓国に住む個人や韓国の法人への使用料は、国内法では20.42%で源泉徴収します[6]。受益者が韓国の居住者なら、日韓租税条約で10%までに軽減されます[8]。この10%を使うには、届出書が税務署長に提出されている必要があります。期限は、その支払日の前日です[3]。

届出書を作るのは支払先ですが、税務署に出すのは自社です[2][3]。流れは次のとおりです。

  1. 依頼:支払先に様式3の作成を頼み、提出先の税務署と自社の情報を伝えます[1][4]
  2. 受け取り:書面なら正副2部、電子なら電磁的方法で受け取ります[2][3]
  3. 確認(法令上の手続ではなく、提出前の点検):自社が関わる欄と契約の内容が合っているかを見ます
  4. 提出:最初に使用料を支払う日の前日までに、自社の所轄税務署長に提出します[1]
  5. 支払:その支払日の前日までに提出済みなら10%(受益者が韓国の居住者の場合)、そうでなければ20.42%で源泉徴収します[3][6][8]
  6. 変更:記載事項に異動があれば、異動後最初の支払日の前日までに出し直してもらいます[3][2]

支払先に依頼すること — 期限は最初の支払日の前日

自社が税務署に出す期限は、最初に使用料を支払う日の前日です[1]。届出書はその前に支払先から届いている必要があるので、契約が決まった段階で依頼すると間に合わせやすくなります。

届出書は使用料の支払者ごとに作るものです[1][3]。同じ支払先でも、支払う会社が別なら届出書も別になります。

依頼するときは、次の点を支払先に伝えます。どれも自社が答えないと埋まらない欄や、受け渡しの方法です。

  • 提出先(F01)に書く、自社の所轄税務署[1]
  • 「3」の欄に書く自社の情報:氏名又は名称、住所又は本店の所在地、電話番号、法人番号、日本国内にある事務所等(名称・事業の内容・所在地・電話番号)[4]
  • 最初の支払日。届出書は、その前日までに自社から税務署に出す必要があります[1]
  • 書面で送ってもらうか、電子で受け取るか。書面なら正副2部です[2]。e-Taxで税務署に送ると前もって決めていれば、書面は1部で差し支えないとされています[9]

様式と注意事項は、国税庁のA3-5の案内ページにあります[2]。依頼のメールにこのページを添えると、支払先が様式を探す手間が省けます。

電子で受け取るときに自社で準備すること

支払先は、書面の代わりに届出書の内容を電磁的方法で自社に提供できます。提供があれば、支払先は届出書を自社に提出したものとみなされます[10][5]。ただし、支払先が自身の氏名又は名称を明らかにする措置を講じていることが条件です[3][10]。

税務署への提出は、これとは別に自社が行います。書面で受け取った場合と同じく、最初に使用料を支払う日の前日までに、自社の所轄税務署長に提出します[1]。電子で受け取った内容は、e-Taxでイメージデータとして送る方法があります[9]。

受ける自社にも、次の三つの措置が求められます[3][5]。

  • 提供を適正に受けられる措置:電子メールや光ディスクなどで受け取れる状態にしておくこと[9]
  • 提供した支払先を特定する措置:どの支払先から届いたものか分かるようにしておくこと[9]
  • 画面表示と書面出力の措置:画面で内容を確認でき、紙に出力できる状態にしておくこと[9]

国税庁のFAQは、最初の二つの措置は一般的には講じられているものと考えている、としています[9]。

支払先が自社から通知したIDとパスワードで送る方法を使う場合、文字の種類や桁数などの要件は法令上ありません。ただし、IDなどで支払先を区別して識別できる状態にしておく必要があります。FAQは、通知したIDを一覧で管理することが望ましいとしています[9]。

依頼メールの例

次は依頼メールの例です。法令で決まった文面ではありません。支払先が日本語を読まない場合は、英語などに直して送ってください。

支払先への依頼メールの例

このたびの著作権使用料のお支払にあたり、日本の所得税の源泉徴収についてご案内いたします。
日本の税法では、この使用料から20.42%を源泉徴収します。日韓租税条約の適用を受けると10%になります(使用料の受益者が韓国の居住者の場合)。
10%の適用には、「租税条約に関する届出書」(様式3)を当社に提出していただき、最初のお支払日の前日までに当社から税務署に提出する必要があります。
届出書の作成にあたり、次の情報をお使いください。
・提出先の税務署:○○税務署
・「3」の支払者の情報:当社の名称、所在地、電話番号、法人番号、日本国内にある事務所等(名称・事業の内容・所在地・電話番号)
・初回のお支払予定日:20XX年X月X日(届出書は前日までに当社から提出します)
届出書は、書面の場合は正副2部を当社宛てにお送りください。
様式と注意事項は、国税庁のページ(A3-5)から取得いただけます。
期限に間に合わなかったお支払は20.42%で源泉徴収し、差額は後日、還付請求書(様式11)で請求していただくことになります。
どうぞよろしくお願いいたします。

受け取った届出書の確認 — 自社が関わる欄

支払者が届出書の内容を点検する義務を定めた国税庁の資料は、確認できていません(免税の場合に支払者が居住者証明書の提示を受けて確認する定めはありますが、これは添付を省略するための方法です)[1]。ただ、提出先や自社の情報、契約の内容は、自社がいちばん確かめやすい欄です。税務署に出す前に、次の欄を見ておきます。

欄(番号)書かれているはずの内容
提出先(F01)自社の所轄税務署[1]。欄の右に「税務署長」と印刷されています[4]
軽減…1/免税…2(G02)・限度税率(G03)「1」(軽減)と「10」[1][8]
「1」日本国と(E01)・国コード(E02)・条(G04)・項(G05)・E03「韓国」・「KR」・「12」・「2」[1][11][8]。E03も条項を書く欄ですが[1]、12条2項のように号のない条項で何を書くか(空けるか)は確認できていません。譲渡(買取り)の対価で「5」項も書くかを示した国税庁の記載例も、確認できていません。支払先か税理士に確認します
日本国内の恒久的施設の有無(G07、1ページ目)支払先が日本に拠点を持たないなら「2」(なし)[1]
「3」使用料の支払者に関する事項(F04・F06・F07・F02・E01〜E03・T01)自社の情報[4]。「日本国内にある事務所等」の欄に自社が何を書くかを示した国税庁の説明は確認できていないので、迷う場合は所轄の税務署に確認します
「4」使用料の内容・契約の締結年月日・契約期間・計算方法・支払期日・金額(E04〜E09)契約書や発注書と同じ内容[4]。譲渡の対価は、使用料の場合に準じて書きます[1]
居住者証明書の添付(G08、3ページ目)添付するなら「1」、省略するなら「0」[1]。10%への軽減では添付が求められていないため、「0」か空欄かは確認できていません。支払先か税務署に確認します
提出前に見ておく欄(使用料に日韓租税条約12条2項を適用する場合)

様式3はOCRで読み取るため、各欄の枠内に収めて書き、「同上」や「〃」は使わないことになっています[1]。崩れている欄があれば、提出前に支払先に直してもらいます。

支払先自身の欄(住所、納税者番号など)の書き方は、支払先向けの様式3の書き方にまとめています。

税務署への提出 — 自社の所轄税務署へ、最初の支払日の前日まで

  • 提出先は、自社(使用料の支払者)の所轄税務署長です[2][3]
  • 期限は、最初に使用料を支払う日の前日です[1]。たとえば最初の支払日が2027年1月29日なら、1月28日までに提出します
  • 書面で受け取ったら、正本を税務署に持参または送付します[2]。手元に残る1部は、源泉徴収義務者用として扱うことが望ましいとされています[9]
  • e-Taxでは、届出書をPDFなどのイメージデータにして送れます。自社の電子署名と電子証明書を付け、解像度200dpi相当以上・256階調以上にします[5]。JPEG・JPG形式は2028年(令和10年)1月1日から使えます[3][5]
  • 電子で受け取った届出書の内容も、同じ手順でe-Taxで送れます[9]。電子で受け取った記録も、源泉徴収義務者用として扱うことが望ましいとされています[9]
  • e-Taxを初めて使う場合は、利用者識別番号の取得などの手続が先に必要です[2][9]

窓口に持参する場合、税務署の総合窓口の受付時間は、2026年(令和8年)10月1日から原則として午前9時から午後3時までです。受付時間外でも、開庁時間(午前8時30分から午後5時まで)内に来署すれば手続できます(2026年10月20日時点の国税庁の案内)[2]。

提出後に住所や契約の内容・期間・金額などの記載事項が変わったら、支払先に届出書を出し直してもらいます。期限は、異動が生じた日以後最初に支払う日の前日です[3][2]。

期限に間に合わなかったとき — 20.42%で源泉徴収し、様式11を証明する

届出書が出ているかは、支払ごとに判定します。その支払日の前日までに税務署長に提出されていなければ、その支払は条約の10%ではなく国内法の20.42%で源泉徴収します[3][6]。後の支払でも、その支払日の前日までに提出されていれば10%です[3]。

10%で源泉徴収する分と20.42%の分は、納付書を分けて作ります[12]。納付期限や納付書の書き方は、韓国の個人・法人への支払と源泉徴収で説明しています。

支払先の還付請求(様式11)で自社がすること

20.42%で徴収した分と10%との差額は、支払先が「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書」(様式11)で請求します[3][7]。自社の役割は次のとおりです。

  1. 支払先から、様式11と届出書(様式3)を受け取ります。どちらも支払者ごとに作られます[7][13]
  2. 様式11の「4」の欄(源泉徴収義務者の証明事項)の記載事項を証明します[7][13]
  3. 様式11と届出書を、自社の所轄税務署に提出します。様式11の提出先(F01)も自社の所轄税務署です[7][13]
  4. 書面ならそれぞれ正副2部を受け取り、それぞれの正本を持参または送付します。e-Taxで送ることもできます[7]
項目自社で用意する情報
⑴ 所得の種類・⑵ 所得の支払期日・⑶ 所得の支払金額支払ごとの記録[14]
⑷ ⑶の支払金額から源泉徴収した税額・⑸ ⑷の税額の納付年月日20.42%で徴収した税額と、それを納付した日[14]
⑹ 租税条約を適用した場合に源泉徴収すべき税額・⑺ 還付を受けるべき金額(⑷−⑹)10%で計算した税額と、その差額[14]
様式11の「4」源泉徴収義務者の証明事項

表の下には「上記のとおり所得税及び復興特別所得税を徴収し、納付したことを証明します」という文があります。その下に年月日と源泉徴収義務者を書きます[14]。支払ごとに支払日・税額・納付日を控えておくと、証明を求められたときに埋めやすくなります。

請求できるのは、納付があった日から5年の間です。過ぎると時効で請求権が消滅します[7]。還付金の受取場所は支払先が様式11の「2」の欄で選び、日本国外の預金口座も指定できます[14][13]。

Dokoloでは

Dokoloには、租税条約に関する届出書を作成・受付・提出する機能はありません。様式は国税庁のA3-5の案内ページから取得してください。

支払先がDokoloで作った請求書に「源泉徴収税額(10%)」と載っていれば、発行者が「あり(税率を指定)」で10%を入れています。10%で源泉徴収できるのは、その支払日の前日までに届出書が税務署長に提出されている場合です[3]。請求書の表示だけで判断せず、提出の状況で税率を決めます。

請求書の源泉徴収の表示の読み方は、韓国の個人・法人への支払と源泉徴収の「Dokoloでは」にまとめています。

よくある質問

届出書が届いたのが最初の支払日の当日でした。その支払に10%を使えますか。

使えません。10%を使えるのは、その支払日の前日までに税務署長に提出されている場合です。その支払は20.42%で源泉徴収します[3]。次の支払日の前日までに提出すれば、次の支払から10%です[3]。差額は、支払先が様式11で還付を請求できます[7]。

届出書を受け取って保管しています。税務署に出す必要はありますか。

あります。支払者は、最初に使用料を支払う日の前日までに、自社の所轄税務署長に提出します[1]。税務署長に提出されていない支払には、国内法の20.42%を適用します[3]。すでに10%で処理した支払がある場合は、所轄の税務署か税理士に確認してください。

同じ支払先に毎月支払います。届出書は毎回必要ですか。

国税庁の案内で出し直しが求められているのは、記載事項に異動が生じたときです[3][2]。契約の内容や金額などが変わったら、異動後最初に支払う日の前日までに出し直してもらいます[3]。新しい契約が届出書の「4」と違う場合は、出し直しが必要かを所轄の税務署に確認してください。

支払先に居住者証明書を出してもらう必要はありますか。

10%への軽減だけなら、様式3の注意事項は居住者証明書の添付を求めていません。添付を定めているのは、使用料が免税になる場合です[1]。日韓租税条約の使用料は10%が上限で、免税ではありません[8]。

出典

  1. [1]
  2. [2]
  3. [3]
  4. [4]

    国税庁 租税条約に関する届出書(様式3)

    2026年10月20日確認(様式ID NTA1VGZ160010010〜NTA0VGZ160030010)一次資料

  5. [5]
  6. [6]
  7. [7]
  8. [8]
  9. [9]

    国税庁 租税条約に関する届出書等の電磁的提供に関するFAQ(問5・問11〜問15)

    令和7年5月2日改訂(令和7年4月1日現在の法令等)一次資料

  10. [10]
  11. [11]

    国税庁 国コード一覧

    2026年4月1日現在一次資料

  12. [12]
  13. [13]
  14. [14]

    国税庁 租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書(様式11)

    2026年10月20日確認(様式ID NTA1VGX150010010・NTA0VGX150020010)一次資料

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このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。個別の届出書や源泉徴収の扱いは、所轄の税務署か税理士にご確認ください。