韓国のフリーランス・法人に発注して支払うときの税務 — 源泉徴収・届出書・消費税・送金と支払調書
韓国のフリーランスや企業に発注し、報酬を支払う経理担当者向けの入口のページです。税務で国内の外注と何が変わるかを一覧にし、発注から翌年の支払調書までの確認の順番と、どの詳しいページを読めばよいかを示します。
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対象韓国の個人・法人に報酬を支払う日本の事業者(経理担当)。自社は日本に住所や事務所があり、支払先は日本に事務所などの拠点を持たない場合です。
結論
- 韓国で行った作業だけの対価は、源泉徴収しません[1]。著作権などの使用料(譲渡の対価を含む)は20.42%です。その支払日の前日までに届出書が提出されていれば、受益者が韓国の居住者である使用料は10%です。10.21%は使いません[2][3][4]。
- 租税条約に関する届出書(様式3)は支払先が作り、自社が所轄税務署長に出します。期限は最初に使用料を支払う日の前日です[5][3]。
- 韓国で制作され、インターネットで納品される受注制作の取引は国外取引で、仕入税額控除の対象になりません[6][7]。事業者向けの電気通信利用役務などのリバースチャージは、一般課税で課税売上割合が95%未満の課税期間だけ申告・控除します[8]。
- 送金手数料の負担は依頼時に選びます。依頼人負担でも、受取人に別に請求されることがあります[9]。使用料は、同じ人へのその年中の支払金額が50万円を超えれば、翌年1月31日までに支払調書を出します[10][11]。
- メールで届いたPDFの請求書は電子取引のデータです。所得税・法人税の保存義務者は、データのまま保存します[12]。
このページの内容韓国のフリーランス・法人への発注で、国内の外注と税務が変わる4つの点
韓国のフリーランス・法人への発注で、国内の外注と税務が変わる4つの点
支払先が日本に拠点を持たない韓国の個人・法人の場合、次の4つの扱いが国内の外注先と変わります。結論には条件があるので、自社の取引に当たるかを「詳しく」の列のページで確かめてください。
| 論点 | 結論(条件つき) | 詳しく |
|---|---|---|
| 源泉徴収 | 韓国で行った作業(役務の提供)だけの対価は国内源泉所得に当たらず、源泉徴収しない[1]。著作権(ソフトウェアを含む)などの使用料・譲渡の対価は20.42%。その支払日の前日までに届出書が提出されていれば10%(受益者が韓国の居住者の場合)[13][2][3][4]。10.21%は使わない[2]。日本に来て行った役務の対価は、個人なら原則20.42%で、条約で免除・軽減される場合がある[1][2]。法人の場合は税理士・税務署に確認 | 韓国の個人・法人への支払と源泉徴収 |
| 租税条約の届出書 | 使用料に10%を使うには、支払先が様式3を支払者ごとに作り、自社を経由して自社の所轄税務署長に提出する。自社の期限は、最初に使用料を支払う日の前日[5][3]。提出の有無は支払ごとに判定し、その支払日の前日までに出ていない支払は20.42%[3]。差額は支払先が様式11で還付を請求し、自社は「4」の欄を証明して提出する(納付があった日から5年)[14] | 租税条約に関する届出書を受け取る支払者の手続 |
| 消費税・仕入税額控除・リバースチャージ | 韓国で制作され、インターネットで納品される受注制作の取引は国外取引(不課税)で、仕入税額控除の対象にならない[6][8][7]。事業者向けの電気通信利用役務と、日本で行う芸能・スポーツ等の特定役務の提供はリバースチャージの対象[15]。申告・控除するのは、一般課税で課税売上割合が95%未満の課税期間だけで、それ以外の課税期間は「なかったもの」とされる[8]。適格請求書が控除に関わるのは、消費者向けの電気通信利用役務と、日本で行う作業など(特定役務の提供を除く)の国内の課税取引(自社が一般課税の場合)[8] | 国外事業者からの請求書と仕入税額控除 |
| 送金・支払調書・保存 | 送金手数料の負担は依頼時に選ぶ。依頼人負担でも、受取銀行・経由銀行が受取人に別に請求することがある[9]。使用料の支払調書は翌年1月31日まで。同じ人へのその年中の支払金額が50万円以下なら不要で、条約で軽減した分も「摘要」欄に書いて出す[11][10][16]。日本に来て行った役務の報酬など、使用料以外の支払にも支払調書がある[17][10]。100万円を超える送金の国外送金等調書は銀行が出す[18]。メールで届いたPDFの請求書は、所得税・法人税の保存義務者がデータのまま保存する[12] | 韓国への海外送金と非居住者の支払調書 |
発注から翌年の支払調書まで — 確認の順番
次の順に確かめ、当てはまるページで詳しい手順を見ます。
- 支払先は非居住者・外国法人か:日本に住所も1年以上の居所もない個人、日本に本店も主たる事務所もない法人かを確かめます[19]。このページは、日本に事務所などの拠点を持たない支払先を扱います。
- 何の提供を受けるか(消費税):成果物を納品してもらう受注制作か、インターネットを介したサービスそのもの(電気通信利用役務)か、日本に来て行う作業かを分けます[6][15]。→国外事業者からの請求書と仕入税額控除
- 何の対価か(源泉徴収):作業だけの対価か、著作権の譲渡・利用許諾を含むかを見ます。契約の名目だけでなく、目的や内容で判断されます[20]。→源泉徴収の判断の順番
- 使用料なら届出書を依頼する:様式3の作成を支払先に頼み、最初に使用料を支払う日の前日までに自社の所轄税務署長に出します[5]。→支払先に依頼すること
- 支払う:源泉徴収の対象で外貨建てなら、原則として支払期日の電信買相場で円に換算して源泉徴収します[2]。送金の依頼では、手数料の負担区分を選びます[9]。→外貨の円換算、送金手数料
- 納付する:源泉徴収した税は、原則として徴収した月の翌月10日までに、非居住者用の納付書で納めます[21]。10%の分と20.42%の分は納付書を分けます[22]。→納付
- 保存する:メールで届いた請求書のPDFは、データのまま保存します[12]。リバースチャージで申告する課税期間は、帳簿に特定課税仕入れに係るものである旨を書きます[7]。→PDFの請求書の保存、帳簿に書くこと
- 翌年1月:使用料を支払った支払先ごとに年間の支払金額を集計し、支払調書を1月31日までに出します(50万円以下の支払先は不要)[11][10]。日本に来て行った役務の報酬など、使用料以外の国内源泉所得にも支払調書があるので、所轄の税務署に確認します[17][10]。→使用料の支払調書
- 源泉徴収:海外在住者の報酬は源泉徴収される?
- 届出書の書き方:租税条約に関する届出書(様式3)の書き方
- 消費税:海外在住者の請求書に日本の消費税は必要?
- 振込先と手数料:海外送金で報酬を受け取る
よくある質問
韓国のフリーランスに初めて発注します。契約の前に何を決めておけばよいですか。
成果物の著作権を譲渡してもらうか、利用を許諾してもらうかを確かめます。著作権の譲渡や利用許諾の対価が含まれれば、使用料として源泉徴収の対象です[13][2]。使用料に当たるなら、最初に支払う日の前日までに届出書を税務署に出せるよう、早めに支払先に依頼します[5]。送金手数料の負担と[9]、取引の種類による消費税の扱いも[6]、このときに確かめておきます。
出典
- [1]
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [2]
国税庁 No.2884 非居住者等に対する源泉徴収・源泉徴収の税率
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [3]
国税庁 No.2888 租税条約に関する届出書の提出(源泉徴収関係)
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [4]
財務省 日本国と大韓民国との間の租税条約(第12条 使用料)
2026年10月20日確認一次資料
- [5]
2026年10月20日確認一次資料
- [6]
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [7]
消費税法 第30条第1項・第8項(仕入れに係る消費税額の控除)
e-Gov法令検索 2026年10月1日施行版(2026年10月20日確認)一次資料
- [8]
国税庁 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税に関するQ&A(問2-1・問16・問24ほか)
令和8年6月改訂一次資料
- [9]
- [10]
e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月20日確認)一次資料
- [11]
国税庁 F1-25 非居住者等に支払われる工業所有権の使用料等の支払調書(同合計表)
2026年10月20日確認一次資料
- [12]
- [13]
所得税法 第161条第1項第11号(国内源泉所得 — 使用料又は譲渡による対価)
e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月20日確認)一次資料
- [14]
国税庁 A3-14 租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求(様式11)
2026年10月20日確認一次資料
- [15]
国税庁 No.6118 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [16]
国税庁 【記載要領】非居住者等に支払われる工業所有権の使用料等の支払調書
令和8年分(2026年10月20日確認)一次資料
- [17]
国税庁 令和8年版 源泉徴収のあらまし「第11 源泉徴収票及び支払調書の提出」
令和7年9月1日現在の所得税法等関係法令一次資料
- [18]
内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第3条・第4条
e-Gov法令検索 現行法令(2026年10月20日確認)一次資料
- [19]
国税庁 令和8年版 源泉徴収のあらまし「第10 非居住者又は外国法人に支払う所得の源泉徴収事務」
令和7年9月1日現在の所得税法等関係法令一次資料
- [20]
国税不服審判所 平成21年12月11日裁決(裁決事例集No.78 208頁)
2026年10月20日確認一次資料
- [21]
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [22]
国税庁 納付書の記載のしかた(非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書)
令和8年以降分(2026年10月20日確認)一次資料
最終確認日