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インボイスの修正・再発行|間違えたときの修正交付と、返還インボイス・再発行の違い

交付したインボイスに誤りがあったときの修正交付、値引き・返品のときの返還インボイス、紛失などの再発行を、条件ごとに分けて説明します。国税庁のQ&A問33・問34・問24-5・問49-2などの資料を、2026年10月21日に確認してまとめました。

  • 最終確認日
  • 出典19件
  • 約14分で読めます

対象日本に住み、適格請求書発行事業者として請求書や領収書を交付した個人事業主・法人の方(交付する側)。受け取った側の対応は「受け取った側はどうするか」の節にあります。韓国など日本国外に住む方は、「修正交付の義務」の節の囲みをご覧ください。

結論

  1. 交付した適格請求書に誤りがあったときは、交付した相手方に、修正した適格請求書を交付しなければなりません。簡易インボイスと返還インボイスも同じで、電子で提供した場合も含みます。義務を負うのは適格請求書発行事業者です[1][2]。
  2. 直し方について、国税庁のQ&A問33は例を2つ挙げています。誤りを直して記載事項をすべて書き直したものを交付する方法と、当初の書類との関連性を明らかにして修正事項を明示したものを交付する方法です。「など」とあり、この2つに限るとは書かれていません[2]。
  3. 直したら、当初交付した適格請求書の写しと、修正した書類の写しの両方を保存します[2]。受け取った側は、原則として自分で追記や修正をすることはできません。買手が誤りを直した仕入明細書等(一定事項の記載が必要)を作り、売手の確認を受ける方法もあります[3][4]。
  4. 値引き・返品など売上げに係る対価の返還は、誤りの修正とは別で、適格返還請求書の交付が必要です。税込1万円未満なら交付義務は免除されます[5]。内容に誤りがない書類の再発行は、すでに交付していれば、改めて交付する義務は生じません。ただし、国税庁のQ&A問24-5は小売のレシートの事例です[6]。

修正交付の義務 — 交付した適格請求書に誤りがあったとき

適格請求書、適格簡易請求書、適格返還請求書を交付した適格請求書発行事業者は、その記載事項に誤りがあったときは、書類を交付した他の事業者に、修正した書類を交付しなければなりません。消費税法第57条の4第4項の定めです。電磁的記録で提供した場合は、同条第5項の後段が第4項を準用します[1]。

  • 対象は交付した書類です。条文は、交付した書類の誤りを対象にしています。取引先にまだ渡していない書類は、そのまま直せば足ります[1]。
  • 義務を負うのは適格請求書発行事業者です。条文の主語がその事業者だからです[1]。
  • 修正した書類を渡す相手は、書類を交付した事業者です[1][4]。

登録の手順や記載事項そのものはインボイス制度とはで、請求書に何を書くかは請求書の書き方で説明しています。

日本に住む方

日本に住む適格請求書発行事業者は、このページのとおり、交付した適格請求書の誤りを修正して交付します[1]。

韓国など日本国外に住む方

韓国など日本国外に住み、適格請求書発行事業者として登録していない方の請求書は、この条文が定める修正交付の義務の対象にならないと読めます。条文の主語が適格請求書発行事業者だからです[1]。登録している場合は、この義務を負います。この読み方を国税庁が直接説明した資料は確認できていません。登録するかどうかの判断は国外事業者のインボイス登録は必要?にあります。

直し方 — 国税庁Q&A問33が挙げる2つの例

国税庁のQ&A問33は、修正した適格請求書の交付方法を、例として2つ挙げています。「例えば」「など」という書き方で、この2つ以外を禁じてはいません[2]。

①全体を書き直して交付する②修正事項を明示して交付する
書類の内容誤りを直したうえで、記載事項をすべて書き直した書類[2]当初に交付した書類との関連性を明らかにして、修正した事項を明示した書類[2]
国税庁の例表題を「請求書《修正》」とし、全項目を書いた書類[2]表題を「請求書」とし、どの請求書(何月分)に誤りがあったかを書いて、「誤」と「正」を並べた書類[2]
受け取る側1枚で記載事項がそろいます例には、当初の適格請求書と合わせて保存してほしい旨の注記があります[2]
問33が例に挙げる2つの交付方法

②の文面の例(国税庁の例を参考にした書き下ろし)

2026年11月30日付の11月分請求書(請求書番号 20261130-001)に下記の誤りがありましたので、修正いたします。お手数ですが、本書は当初お送りした請求書と併せて保存してください。

どちらの方法でも、交付した事業者は、当初交付した適格請求書の写しと、修正した適格請求書等の写しを保存します[2]。

直したあとに保存するもの

  • 当初交付した適格請求書の写しと、修正した適格請求書等の写しの両方[2]。
  • 保存期間:交付した適格請求書の写しと、提供した電磁的記録の保存期間は、個人事業者なら青色・白色を問わず7年です[7][8]。法人は、法人税の帳簿書類の保存期間として原則7年、青色申告で欠損金が生じた事業年度などは10年とされています[9]。

電子で交付したデータの保存方法は、電子帳簿保存法の解説で説明しています。

受け取った側はどうするか — 買手は原則として自分では直せない

誤りのある適格請求書を受け取った課税事業者は、売手に修正した適格請求書の交付を求めます。原則として、自分で追記や修正をすることはできません[3]。

  • 仕入明細書を使う方法:買手が誤りを直した、一定事項の記載のある仕入明細書等を作り、売手の確認を受けて保存する方法もあります。確認を受けた仕入明細書等は、仕入税額控除のために保存する請求書等に当たります[3][4]。
  • 売手の対応:この方法を使ったとき、売手は、改めて修正した適格請求書を交付しなくても差し支えありません[4]。ただし、当初交付した適格請求書の写しは保存しなければなりません[3]。

取引先から「ここが違う」と連絡があったときは、修正した適格請求書を交付するか、取引先が作成した仕入明細書等の内容を確認するかの、どちらかで対応します。

毎月の請求で、翌月に調整している場合(継続取引)

毎月請求書を交付する取引では、単価や数量の誤りで請求金額が変わることがあります。このとき、翌月の請求書で前月の過少請求・過大請求の分を加減算して調整する例があります。国税庁のQ&A問34は、これを継続的に行っている場合の扱いを示しています[10]。

  • 認められる書き方:翌月の請求書に、過少請求等の金額を課税資産の譲渡等の対価の額から直接加減算した金額と、その金額に基づく消費税額等を書く方法です。この調整は、修正した適格請求書の交付があったものとして扱って差し支えないとされています[10]。
  • 前提:問34の事例は、請求書に登録番号などを加えれば適格請求書の記載事項を満たす場合です[10]。
  • 当月の請求書に書く金額:税率ごとに区分した合計額と消費税額等は、加減算をした調整後の金額です[10]。
  • 返還に当たる分:調整に売上げに係る対価の返還等が含まれるときは、その分は適格返還請求書の交付になります。適格請求書と適格返還請求書は、1つの書類にまとめて交付できます[10][11]。

問34は、この方法を継続的に行っている場合の回答です。単発の誤りに、必ずこの方法を使えるとは書かれていません[10]。

修正・返還・再発行の違い

「インボイスを出し直す」場面は、誤りの修正、値引き・返品、紛失などによる再発行の3つに分かれます。誤りの修正では修正した適格請求書の交付が義務で、値引き・返品では返還インボイスを交付します。内容に誤りのない書類の再発行は、すでに交付していれば義務ではありません。

場面必要な対応条件・注意
交付した書類の記載事項に誤りがあった(例:税率、消費税額、登録番号の誤り)修正した適格請求書(簡易インボイス・返還インボイスも同じ)を交付する適格請求書発行事業者の義務です。方法は前の節の2つの例を参照してください[1][2]
値引き・返品・リベートなどで、売上げに係る対価を返還した適格返還請求書を交付する課税事業者への返還が対象です。返還の税込価額が1万円未満なら、交付義務は免除されます。判定は、返還の対象となる請求や債権の単位ごとに、減額した金額で行います。登録を受ける前の取引についての返還には、交付義務はありません[5][12]
取引先が書類をなくした、もう一度ほしいと言う(内容に誤りはない)すでに交付していれば、改めて交付する義務は生じません(問24-5の事例からの推論を含みます)。もう一度交付することは、消費税法上は妨げられません(問49-2の事例)問24-5は小売のレシート、問49-2は媒介者交付特例の事例への回答です。一度も交付していない場合は、交付義務は免除されません。買手が同じ取引の適格請求書を複数枚保存していても、仕入税額控除は1回です[6][13]
交付済みの複数の適格請求書を、1枚にまとめて再発行する消費税額等は、1枚に書く全体の合計額で再計算するのが原則です交付済みの写しを保存しているなど、再発行であることが客観的に明らかなら、交付済みの書類の消費税額等を基に書いて差し支えありません。国税庁の例は、表題を「請求書(再発行)」としています[13]
適格請求書発行事業者の登録通知書をなくした再発行されません登録通知書は国税庁から届く通知書で、取引先に渡すインボイスではありません。登録申請書をe-Taxで提出し、電子での通知を希望した場合は、通知書等一覧にデータで保管されます[14]
場面ごとの対応と条件

請求金額が変わる場合でも、単なる誤りの訂正は修正交付です。値引き・返品・リベートなど、売上げに係る対価の返還等に当たる分は、返還インボイスの対象です。両方が混じる調整は、問34のとおり分けて考えます[10]。

返還インボイスの記載事項と1万円未満の免除は、インボイス制度とはで説明しています。

領収書を直して渡し直すとき — 紙なら印紙が必要になることがある

領収書やレシートでも、適格請求書の記載事項を満たしていれば適格請求書です[15]。その領収書に誤りがあれば、請求書と同じ修正交付の義務を負います。

直した領収書を紙で渡し直すときは、収入印紙に注意します。同じ受領について何通も紙の書類を作っても、受領の事実を証明する目的で作ったものは、どれも金銭の受取書です。再発行した受取書も第17号文書で、納税義務者は、再発行を求めた取引先ではなく、受取書の作成者です[16][17]。

  • 営業に関する売上代金の受取書で、記載金額が5万円以上の紙の領収書:印紙が必要です。5万円以上100万円以下は200円です[18]。
  • 記載金額が5万円未満の領収書と、営業に関しない受取書:非課税です[18]。
  • PDFで再送する場合:電磁的記録は印紙税の対象の「文書」に含まれないため、印紙は要りません[19]。

5万円の判定に使う金額、税額表、貼り方は領収書の収入印紙で説明しています。判定は、直したあとの紙の記載金額で行います。

Dokoloでは

Dokoloで直せる方法は、前に説明した方法①(誤りを直して、記載事項をすべて書き直したものを交付する)だけです。方法②(関連性と修正事項だけを示す書類)や、翌月の請求書で調整する継続取引の機能、適格返還請求書を作る専用の書類種別はありません。直す必要があるか、修正に当たるか返還に当たるかも、Dokoloは判定しません。

交付済の文書は変更できません。直すときは、修正版(見積書は改訂版)を作成します。ボタンの名前は場所によって違います。

場所請求書・領収書見積書
編集画面の上部のバー(スマートフォンは下のバー)「修正版を作成」「改訂版を作成」
「文書」の一覧の行の「…」「修正版を作成」「改訂版を作成」
修正版を作るボタン
  • 修正版の中身:元の文書の内容をすべて写した新しい下書きができ、その編集画面に移ります。誤りのある欄を直します。元の文書は変わらず、交付済のまま残ります。
  • 番号:「元の番号-修正1」(見積書は「元の番号-改訂1」)になります。同じ元の文書からもう一度作ると「-修正2」と続きます。元の文書に番号がなければ、修正版にも付きません。下書きなので、番号は書き換えられます。
  • 日付:発行日は元の文書の日付がそのまま入ります。今日の日付にはならないので、必要なら書き換えます。
  • PDFの表示:修正版のPDFには、表題の横に「修正」の印が付き、「本書は 20261031-001 (交付日: …) の修正版です」のような行が入ります。
  • 交付:修正版を作っただけでは、取引先には何も渡っていません。直し終えたら、元の文書と同じように「送付して交付…」で「メールで送る」か「自分で送った」を選んで交付します。交付すると、その内容のPDFが保管され、編集できなくなります。
  • 再送付:交付済の文書の「再送付」は、交付したときのPDFをもう一度送ります。内容は変わらないので、誤りの修正には使えません。「再発行」と表示する機能もありません。
  • 登録番号と消費税の表示:「消費税の表示」で「表示しない」を選んだまま登録番号が入っていると、「登録番号が入力されていますが、消費税が表示されていません。この状態では適格請求書等の記載要件を満たしません。」と表示されます。警告だけで、PDFの作成は止まりません。この設定が誤りの原因なら、修正版で直します。

操作の手順はDokoloの使い方に、紙の領収書の印紙は領収書の収入印紙にあります。

よくある質問

インボイスを間違えて交付してしまいました。どうすればいいですか。

交付した相手方に、修正した適格請求書を交付します。簡易インボイスと返還インボイスも同じで、電子で提供した場合も含みます[1]。まだ渡していない書類なら、そのまま直せば足ります。直し方は、問33が例に挙げる、全体を書き直す方法か、修正事項を明示する方法です。当初の書類の写しと修正した書類の写しは、両方保存します[2]。

修正した請求書は、全体を作り直しても、直した箇所だけを書いてもいいですか。

問33は、どちらも例として挙げています。ただし、この2つに限るとは書かれていません[2]。直した箇所だけを書く方法では、当初の書類との関連性を明らかにして、修正した事項を明示します。例には、当初の書類と合わせて保存してほしい旨の注記があります[2]。取引先に、1枚で記載事項がそろう書類を渡したいときは、全体を書き直す方法を選びます。

いわゆる赤伝(マイナスの請求)で調整してもいいですか。

赤伝で取り消して書き直す方法を直接扱った国税庁のQ&Aは確認できていません。問33は交付方法を例として挙げるにとどまり、2つに限るとはしていません[2]。毎月の請求で、翌月の請求書において前月の過少請求・過大請求の分を継続的に加減算している場合は、その調整を、修正した適格請求書の交付として扱って差し支えないとされています[10]。条件は、加減算した金額と、それに基づく消費税額等を書くことです。調整に値引きなどの返還が含まれるときは、その分は適格返還請求書の交付になり、1つの書類にまとめて交付できます[10][11]。

取引先が自分でインボイスの金額を直して使ってもいいですか。

原則として、できません。買手は、売手に修正した適格請求書の交付を求めます[3]。買手が誤りを直した、一定事項の記載のある仕入明細書等を作り、売手の確認を受けて保存する方法はあります。この場合、売手は、改めて修正した適格請求書を交付しなくても差し支えありませんが、当初の適格請求書の写しは保存します[4][3]。

取引先に請求書をなくしたと言われました。再発行しなければいけませんか。

すでに交付していれば、改めて交付する義務は生じません。問24-5はこう答えていますが、事例は小売のレシートで、請求書一般への当てはめは推論を含みます[6]。もう一度交付することは、消費税法上は妨げられません。ただし、問49-2は媒介者交付特例の事例です[13]。一度も交付していないなら、交付義務は免除されません[6]。

値引きをしたときも、修正した請求書を出すのですか。

値引きや返品は、誤りの修正ではなく、売上げに係る対価の返還等です。課税事業者に返還するときは、適格返還請求書を交付します。返還の税込価額が1万円未満なら、交付義務は免除されます[5]。判定は、対象となる請求や債権の単位ごとに、減額した金額で行います[12]。当月の請求書に、前月分の返還を控除して書き、1つの書類で交付することもできます[11]。

領収書を直して紙で渡し直すと、印紙がもう一度必要ですか。

営業に関する売上代金の受取書で、直した紙の領収書の記載金額が5万円以上なら必要です。再発行した受取書も第17号文書で、納税義務者は作成者です[17][18]。記載金額が5万円未満の領収書と営業に関しない受取書は非課税です。PDFで再送するなら印紙税はかかりません[18][19]。

出典

  1. [1]

    消費税法(昭和63年法律第108号)第57条の4第4項・第5項

    e-Gov法令検索 2026年10月1日施行版(2026年10月21日確認)一次資料

  2. [2]
  3. [3]
  4. [4]
  5. [5]
  6. [6]
  7. [7]
  8. [8]
  9. [9]

    国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  10. [10]
  11. [11]
  12. [12]
  13. [13]
  14. [14]
  15. [15]
  16. [16]

    国税庁 質疑応答事例 仮領収書

    令和7年8月1日現在の法令・通達等一次資料

  17. [17]

    国税庁 質疑応答事例 再発行した受取書

    令和7年8月1日現在の法令・通達等一次資料

  18. [18]

    国税庁 No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  19. [19]

最終確認日

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このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。個別の取引で修正や再発行をどう扱うかは、税務署または税理士にご確認ください。