2割特例はいつまで?3割特例と、免税事業者からの仕入れの経過措置(80%→70%)
売手の納付税額を軽くする2割特例・3割特例と、買手が免税事業者などから仕入れたときの経過措置(80%→70%→50%→30%)を、個人事業者と法人の別、課税期間と課税仕入れの日の別に整理します。2026年10月21日現在の国税庁の資料によります。
- 最終確認日
- 出典21件
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対象日本に住み、日本の取引先に請求書を出す個人事業主・法人の方。免税事業者で、登録するか迷っている方と、登録済みの方が対象です。免税事業者などから仕入れる一般課税の事業者の方は、「買手側」の節をご覧ください。韓国など日本国外に住む方は、「2割特例」の節の囲みをご覧ください。
結論
- 2割特例は、2026年9月30日を含む課税期間までです。2026年10月21日現在、個人事業者は2026年分が最後で、まだ使えます。法人は、2026年9月30日を含む事業年度が最後です。12月決算なら2026年12月期まで使えます。事業年度が終わっていても、その期の申告がまだなら使えます。対象は、免税事業者が登録する場合などで、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える課税期間などには使えません[1][2][3]。
- 3割特例は、個人事業者だけの特例です。対象は2027年分と2028年分で、基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円以下であることなどが要件です。法人は使えません。2割特例も3割特例も、届出は要らず、申告書に適用を受ける旨を付記して使います[1][4][5]。
- 事業によっては、簡易課税のほうが納付税額が少なくなります。簡易課税は届出が必要で、選択すると原則として2年間は継続して適用します。免税事業者が2029年9月30日までの日の属する課税期間に登録し、登録日から課税事業者になる場合は、その課税期間中に届出書を出せば、その課税期間から簡易課税を使えます[6][7][8]。
- 買手側の経過措置は、免税事業者などからの課税仕入れを、一般課税で申告する取引先が一定割合まで控除できる措置です。2026年9月30日までは80%、2026年10月1日から2028年9月30日までは70%で、その後は50%、30%と下がり、2031年10月1日以降は控除できません。どの割合になるかは、課税仕入れの日で決まります[9][10]。
- 経過措置を使うには、帳簿と請求書等の保存が要件です。また、同じ1つの事業者からの課税仕入れの合計額(税込)が1年(事業年度)で1億円を超える部分には、経過措置を適用できません。この上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます[9]。
このページの内容全体像 — 売手の特例と買手の経過措置を年ごとに並べる
全体像 — 売手の特例と買手の経過措置を年ごとに並べる
インボイス制度の経過的な措置には、2つの別の制度があります。1つは、免税事業者が登録したときに売手の納付税額を軽くする2割特例・3割特例です。もう1つは、買手が免税事業者などから仕入れたときに、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置です[5]。期限の決まり方が違います。売手の特例は課税期間、買手の割合は課税仕入れの日で決まります。
| 暦年 | 売手:個人事業者(課税期間は暦年) | 売手:法人(12月決算の例) | 買手:控除できる割合(課税仕入れの日で判定) |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 2割特例(2026年分が最後。現在の課税期間で、申告期限は2027年3月31日)[3][11] | 2割特例(2026年12月期が最後)[3] | 1月1日〜9月30日は80%、10月1日〜12月31日は70%[9] |
| 2027年 | 3割特例(要件を満たす場合)[3] | 2割特例・3割特例とも使えない。一般課税または簡易課税[12] | 70%[9] |
| 2028年 | 3割特例(要件を満たす場合)[3] | 同上 | 1月1日〜9月30日は70%、10月1日〜12月31日は50%[9] |
| 2029年 | 2割特例・3割特例とも使えない[3] | 同上 | 50%[9] |
| 2030年 | 同上 | 同上 | 1月1日〜9月30日は50%、10月1日〜12月31日は30%[9] |
| 2031年 | 同上 | 同上 | 1月1日〜9月30日は30%、10月1日以降は控除不可[9] |
表の特例は、要件を満たす事業者だけが使えます。「使えない」は、特例が使えないという意味で、申告が不要という意味ではありません。要件は、次の2つの節で説明します。
2割特例はいつまで — 2026年9月30日を含む課税期間まで
2割特例は、納付税額を、売上税額から売上税額の8割の特別控除税額を引いた額、つまり売上税額の2割にする特例です。対象は、2023年10月1日から2026年9月30日までの日の属する各課税期間に、免税事業者が適格請求書発行事業者になる場合です。課税選択届出書を出して課税事業者になった免税事業者も含みます[1]。
終わるのは、「2026年9月30日を含む課税期間」です。使えるかどうかは、課税期間が終わったか、申告を済ませたかではなく、その課税期間が2026年9月30日を含むかどうかで決まります。個人事業者の課税期間は1月1日から12月31日なので、2026年分が最後で、いまも使えます。2026年分の確定申告の期限は2027年3月31日です[3][11]。
法人の課税期間は事業年度です。2026年9月30日を含む事業年度が最後になります[3]。国税庁は、12月決算のほか3月決算の例(令和9年3月期まで2割特例)を示しています[3][12]。次の表の6月・9月決算は、国税庁の一般的な書き方(「令和8年9月30日の属する課税期間」)に当てはめた計算です。
| 決算月 | 2割特例が使える最後の事業年度 | 2026年10月21日現在のこの事業年度 | 使えなくなる事業年度 |
|---|---|---|---|
| 12月 | 2026年1月1日〜12月31日 | 事業年度の途中。使える | 2027年1月1日からの事業年度 |
| 3月 | 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 事業年度の途中。使える | 2027年4月1日からの事業年度 |
| 6月 | 2026年7月1日〜2027年6月30日 | 事業年度の途中。使える | 2027年7月1日からの事業年度 |
| 9月 | 2025年10月1日〜2026年9月30日 | 事業年度は終了しているが、この期の申告はこれから。末日までに登録を済ませていて、登録がなければ免税事業者だった法人は、2割特例を付記して使える(申告期限は2か月後の2026年11月30日。延長の特例があれば、その期限)[13] | 2026年10月1日からの事業年度 |
表の「最後の事業年度」は、その期の申告まで2割特例を使えるという意味です。事業年度が終わっていても、申告がまだなら、申告書に付記して使えます。使えなくなるのは、その次の事業年度からです[3][11]。
対象期間内であっても、2割特例を使えない課税期間があります[2]。
- 基準期間の課税売上高が1,000万円を超える課税期間。課税期間ごとに判定します。
- 特定期間の課税売上高により、免税点制度の適用が制限される課税期間。
- 相続・合併・分割があった課税期間や、新設法人などの一定の課税期間。
- 一定の高額な資産の課税仕入れ等をしたことにより、免税点制度の適用が制限される課税期間。
- 課税期間の特例の適用を受ける課税期間。
- 課税期間の初日に日本に恒久的施設(PE)がない国外事業者の課税期間(下の囲みを参照)。
課税事業者がインボイスの登録をした場合も、登録した課税期間の翌課税期間以後は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として2割特例を使えます。ただし、対象は2026年9月30日を含む課税期間までです[1]。
届出は要りません。申告書に、2割特例の適用を受ける旨を付記します。簡易課税制度選択届出書を出している事業者でも、2割特例で申告できます[1][14][15]。
日本に住む方
日本に住所や事務所がある事業者は、このページの条件を満たせば、2割特例・3割特例を使えます。
韓国など日本国外に住む方
韓国など日本国外に住む事業者は、課税期間の初日に日本に恒久的施設(PE)がなければ、簡易課税・2割特例・3割特例を使えず、一般課税で申告します。この制限は、簡易課税と2割特例については、2024年10月1日以後に開始する課税期間から適用されています[6][2][16]。登録するかどうかは国外事業者のインボイス登録は必要?で説明しています。
3割特例 — 個人事業者の2027年分・2028年分
3割特例は、納付税額を売上税額の3割にする特例です。令和8年度税制改正で設けられました。対象は、2027年(令和9年)と2028年(令和10年)の課税期間に、個人事業者である免税事業者が適格請求書発行事業者となる場合です。課税選択届出書を出して課税事業者になった免税事業者も含みます[4][5]。
要件は次の3つです[5]。
- 個人事業者であること。
- 基準期間(適用を受ける年の2年前)の課税売上高が1,000万円以下であること。2027年分は2025年、2028年分は2026年の課税売上高で判定します。
- 適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録を受けていること。
使えない課税期間は、2割特例とほぼ同じです。PEのない国外事業者、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える課税期間、特定期間の判定で免税点制度が制限される課税期間などです[16]。手続も2割特例と同じで、届出は要らず、申告書に適用を受ける旨を付記します[4]。
個人事業者である課税事業者が登録した場合も、登録した課税期間の翌課税期間以後は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として3割特例を使えます。ただし、対象は2027年分・2028年分です[4]。
法人は3割特例の対象外です。2026年9月30日を含む事業年度の次の事業年度からは、法人は2割特例も3割特例も使えず、一般課税または簡易課税で申告します[3][12]。
2028年4月1日以後は、3割特例の計算の対象になる課税標準から、特定少額資産の譲渡の対価の額が除かれます。特定少額資産が何を指すかは、このページでは扱いません。売上げにこうした資産が含まれそうな場合は、税務署か税理士に確認してください[4]。
簡易課税・一般課税と比べる — 金額の例と届出の期限
登録した後の納付税額は、2割特例・3割特例、簡易課税、一般課税のどれかで計算します。簡易課税は、売上税額にみなし仕入率を掛けた額を、仕入れに係る消費税額とみなして控除する方法です。基準期間の課税売上高が5,000万円以下の課税期間に限られ、選択すると原則として2年間は続けて適用します[6][5]。みなし仕入率は、事業区分ごとに決まっています。
| 事業区分 | 主な事業 | みなし仕入率 |
|---|---|---|
| 第1種 | 卸売業 | 90% |
| 第2種 | 小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る) | 80% |
| 第3種 | 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業 | 70% |
| 第4種 | 第1種〜第3種、第5種、第6種以外の事業 | 60% |
| 第5種 | 運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く) | 50% |
| 第6種 | 不動産業 | 40% |
次の例では、架空の個人事業者2人を比べます。どちらも、税抜の課税売上高が800万円(すべて10%)で、売上税額は80万円です。基準期間の課税売上高は1,000万円以下とします。計算を単純にするため、消費税と地方消費税を分けず、売上税額に率を掛けて比べます。実際の申告の計算は、申告書の様式に従ってください。金額はすべて仮のもので、税率は現行の10%として計算しています。なお、2027年4月1日から2029年3月31日まで飲食料品の税率を1%に下げる政府案(2026年10月22日現在、法案成立前)があり、成立すれば飲食料品を売る事業者の簡易課税・3割特例の計算に特例が設けられる予定です[17]。この例には含めていません。
| 方法 | 計算 | 小売業(第2種) | サービス業(第5種) |
|---|---|---|---|
| 2割特例(2026年分のみ) | 80万円 × 20% | 16万円 | 16万円 |
| 3割特例(2027年分・2028年分) | 80万円 × 30% | 24万円 | 24万円 |
| 簡易課税 | 80万円 − 80万円 × みなし仕入率(80%/50%) | 16万円 | 40万円 |
| 一般課税(課税仕入れが税抜500万円) | 80万円 − 50万円 | 30万円 | 30万円 |
| 一般課税(課税仕入れが税抜700万円) | 80万円 − 70万円 | 10万円 | 10万円 |
- 小売業:みなし仕入率80%は、2割特例の控除(売上税額の8割)と同じ割合なので、納付税額は2割特例と同じです。3割特例と比べると、簡易課税のほうが少なくなります。
- サービス業:みなし仕入率が50%なので、簡易課税の納付税額は、2割特例・3割特例のどちらよりも多くなります。
- 課税仕入れが多い事業者:実際の仕入税額が大きいと、一般課税が最も少なくなることがあります。
- 国税庁の例:問117-2は、卸売業(90%)の法人では2割特例より簡易課税のほうが納付税額が少なくなると考えられる、としています。問117-3は、小売業(80%)の個人事業者では3割特例より簡易課税のほうが少なくなると考えられる、としています[7][8]。
- 還付:多額の設備投資などで、課税仕入れの消費税額が課税売上げの消費税額を上回るときは、一般課税なら還付が生じます。簡易課税や2割特例・3割特例では、通常、還付は生じません[7][8]。
簡易課税は、2割特例・3割特例と違い、届出が要ります。期限は次の3つです。
- 原則:簡易課税を使いたい課税期間の初日の前日まで[6]。
- 免税事業者が登録した課税期間から使う場合:2023年10月1日から2029年9月30日までの日の属する課税期間に登録を受け、登録日から課税事業者になるなら、その課税期間中に届出書を出せば、その課税期間から使えます[6]。暦年の個人事業者なら12月31日まで、法人は登録日を含む事業年度の末日までです。末日が休日でも翌日には延びません[6][7]。
- 2割特例・3割特例を使った課税期間の、翌課税期間から使う場合:翌課税期間の確定申告期限までに届出書を出せば足ります。ただし、翌課税期間が2026年9月30日以前に終了する場合は、その翌課税期間中です。申告期限が休日などに当たるときは翌日に、法人の申告期限の延長の特例があるときは延長後の期限になります[11]。
3つ目の期限について、国税庁は次の例を示しています。2025年分まで2割特例を使った個人事業者が、2026年分から簡易課税にするなら、2026年分の確定申告期限(2027年3月31日)までです。2028年分まで3割特例を使った個人事業者が、2029年分から簡易課税にするなら、2029年分の確定申告期限(2030年4月1日)までです。12月決算の法人は、2027年12月期から簡易課税にするなら、2027年12月期の確定申告期限(2028年2月29日)までです[11][3]。
買手側 — 免税事業者などからの仕入れの経過措置(80%→70%)
買手が仕入税額控除を受けるには、原則として、適格請求書等の保存が必要です[18]。取引先が免税事業者や、登録していない事業者のとき、その請求書は適格請求書ではありません。それでも、一般課税で申告する買手は、一定の要件を満たせば、仕入税額相当額の一定割合を控除できます。これが経過措置です[9][19]。
- 割合:課税仕入れが2026年9月30日までなら80%、2026年10月1日から2028年9月30日までなら70%です。その後は、2028年10月1日から2030年9月30日までが50%、2030年10月1日から2031年9月30日までが30%で、2031年10月1日以降は控除できません[9][18]。
- 古い日程に注意:2026年の改正前の資料には、2026年10月から50%とする日程が載っています。現在の日程は上のとおりです[5]。
- 判定の日:割合は、支払日や請求書の日付ではなく、課税仕入れの時期で決まります。商品は引渡しのあった日、役務は約した役務の全部が完了した日です。国税庁の例では、役務を2026年9月21日から10月20日まで提供し、10月31日に支払う場合は、70%です。商品は、9月21日から30日の引渡し分が80%、10月1日から20日の引渡し分が70%です[10]。
- 上限:2026年10月1日以後に開始する課税期間では、同じ1つの事業者からの課税仕入れの合計額(税込)が1年(事業年度)で1億円を超える部分には、この経過措置を適用できません。2024年10月1日から2026年9月30日までに開始した課税期間の上限は、10億円です。割合は課税仕入れの日、上限は課税期間の開始日で決まります[9]。
計算の例です。一般課税の取引先が、免税事業者から税込11万円(10%)の商品を、2026年11月15日の引渡しで仕入れたとします。税込11万円の10/110が仕入税額相当額で、1万円です。70%の7,000円を控除でき、残りの3,000円は控除できません。ここでも、消費税と地方消費税は分けていません。
経過措置を使うには、次の保存が要件です[9]。
- 帳簿:経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨の記載(国税庁の例では「80%控除対象」「免」など)。
- 請求書等:区分記載請求書等と同様の記載事項。次の5つです。①書類の作成者の氏名または名称、②課税資産の譲渡等を行った年月日、③資産または役務の内容(軽減対象資産なら、その旨)、④税率ごとに合計した税込価額、⑤書類の交付を受ける事業者の氏名または名称。
登録していない売手が請求書に①〜⑤を書いておけば、取引先は請求書等の要件を満たせます。帳簿の記載は、取引先の側の作業です。登録番号のない書類は、適格請求書ではなく、区分記載請求書等として扱われます[19]。
この経過措置は、買手が実際の課税仕入れから仕入税額を計算する一般課税の話です。簡易課税は、売上税額にみなし仕入率を掛けて控除額を出すので、仕入先の登録の有無は控除額に影響しないと考えられます[5]。2割特例・3割特例も、実際の仕入税額を計算しない方法なので、同じように考えられます。どちらも国税庁が明示しているものではなく、制度の仕組みから導いた整理です[1][5]。登録するか迷う免税事業者は、主な取引先がどの方式で申告しているかを確認します。
これとは別に、少額特例があります。一定規模以下の買手が、税込1万円未満の課税仕入れを、帳簿のみの保存で控除できる特例で、対象は2029年9月30日までの課税仕入れです。条件はインボイス制度とはで説明しています[20]。
よくある質問
2割特例はいつまで使えますか。
2026年9月30日を含む課税期間までです。2026年10月21日現在、個人事業者は2026年分が最後で、まだ使えます。法人は、2026年9月30日を含む事業年度が最後です。12月決算なら2026年12月期、3月決算なら2027年3月期まで使えます。9月決算の2026年9月期は事業年度が終わっていても、申告がまだなら使えます[1][3][12]。ただし、免税事業者が登録した場合などが対象で、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える課税期間には使えません[2]。自分の課税期間が対象か、決算月に当てはめて確認してください。
法人も3割特例を使えますか。
使えません。3割特例は、個人事業者の2027年分・2028年分だけの特例です[4][3]。法人は、2割特例を使える最後の事業年度の次の事業年度からは、一般課税または簡易課税で申告します[12]。
2割特例・3割特例と簡易課税は、どちらが有利ですか。
事業区分と実際の仕入れで決まります。みなし仕入率が80%の小売業は、簡易課税が2割特例と同じ納付税額になり、3割特例より少なくなります。みなし仕入率50%のサービス業では、簡易課税のほうが納付税額が多くなります[6][8]。仕入れが多ければ、一般課税が少なくなることもあります。簡易課税は届出が要り、選択すると原則として2年間は継続して適用します。上の節の金額の例で、自分の売上げに置き換えて比べてください。
2割特例を使ったあと、簡易課税に変えるには、いつまでに届出書を出しますか。
翌課税期間の確定申告期限までに、翌課税期間から簡易課税を使う旨を書いた届出書を出します。たとえば、2025年分まで2割特例を使った個人事業者が2026年分から簡易課税にするなら、2027年3月31日までです[11]。免税事業者が登録した課税期間から簡易課税を使うなら、その課税期間中に届出書を出します[6]。
免税事業者から仕入れると、いつまで何%控除できますか。
一般課税で申告する場合、課税仕入れが2026年10月1日から2028年9月30日までなら70%です。その前は80%、その後は50%、30%と下がり、2031年10月1日以降は控除できません。帳簿と、区分記載請求書等と同様の事項を書いた請求書等の保存が要件です[9]。割合は、商品なら引渡しの日、役務なら全部が完了した日で決まります[10]。簡易課税の取引先は、仕入先の登録の有無が控除額に影響しないと考えられます(国税庁の明示ではなく、制度の仕組みから導いた整理です)[5]。
2026年10月に登録すると、2割特例と3割特例はどうなりますか。
個人事業者の2026年分は、2026年9月30日を含む課税期間なので、要件を満たせば2割特例の対象です。2027年分・2028年分は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら3割特例を使えます[1][4]。ただし、登録日の属する課税期間が2023年(令和5年)10月1日を含まない場合は、登録日の属する課税期間の翌課税期間から、登録日以後2年を経過する日の属する課税期間まで、免税事業者に戻れません[21]。暦年の個人事業者と12月決算の法人は2024年以降の登録がこれに当たり、2026年10月の登録も当たります(ほかの決算月の法人の扱いはインボイス制度とはで説明しています)。法人は、登録日の属する事業年度が2026年9月30日を含むかどうかで、2割特例の対象かが決まります。
出典
- [1]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問114(2割特例)
令和8年4月改訂一次資料
- [2]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問115(2割特例を適用できない課税期間)
令和6年4月改訂一次資料
- [3]
国税庁 令和8年度税制改正リーフレット(2割特例・3割特例)
令和8年4月(令和8年5月改訂)一次資料
- [4]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問114-2(3割特例)
令和8年4月追加一次資料
- [5]
国税庁 令和8年度税制改正特集(7・5・3割控除、3割特例、簡易課税)
令和8年度税制改正(2026年10月19日確認)一次資料
- [6]
令和8年4月1日現在法令等(2026年10月21日確認)一次資料
- [7]
- [8]
- [9]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問113(免税事業者等からの課税仕入れの経過措置)
令和8年4月改訂一次資料
- [10]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問113-3(経過措置の割合を判定する時期)
令和8年4月追加一次資料
- [11]
- [12]
国税庁 令和8年度税制改正パンフレット(インボイスに関する経過措置の適用期限一覧)
令和8年度税制改正(2026年10月21日確認)一次資料
- [13]
消費税法(昭和63年法律第108号)第45条第1項(課税期間の末日の翌日から二月以内の申告)
e-Gov法令検索 2026年10月1日施行版(2026年10月21日確認)一次資料
- [14]
令和6年9月版(2026年10月21日確認)一次資料
- [15]
2026年10月21日確認一次資料
- [16]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問115-2(3割特例を適用できない課税期間)
令和8年4月追加一次資料
- [17]
国税庁 飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて(リーフレット・法案成立前の改正案)
令和8年9月(法案成立前・2026年10月22日確認)一次資料
- [18]
国税庁 No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の概要
令和8年4月1日現在法令等一次資料
- [19]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問54(登録番号のない書類と区分記載請求書等)
令和6年4月改訂一次資料
- [20]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問111(少額特例)
令和5年10月改訂一次資料
- [21]
国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A 問7(免税事業者の登録)
令和8年4月改訂一次資料
最終確認日