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海外から送る領収書に収入印紙は必要?国外で作成した領収書と電子帳簿保存法

海外在住で日本の事業者に領収書を出す方向けに、海外から送る領収書に収入印紙が要るかを渡し方ごとに説明します。取引先が電子帳簿保存法でPDFを保存しやすい送り方もまとめています。

  • 最終確認日
  • 出典14件
  • 約9分で読めます

対象韓国など日本国外に住みながら日本の事業者に請求する個人・法人(日本に事務所などの拠点を持たない方)。

結論

  1. 印紙税法は日本の国内法なので、国外で作成した文書に印紙税はかかりません[1]。領収書は相手に渡した時に作成したことになり、郵送なら発信した時です[2]。韓国から郵送する領収書に印紙は要りません[1][2]。
  2. PDFで送る領収書にも印紙税はかかりません。電子データは、印紙税の課税対象になる「文書」に含まれないからです[3]。
  3. 日本を訪れて紙の領収書を手渡すと、日本で作成したことになります[2]。作成場所を国外と書いても、実際に日本で作成したものには印紙税法が適用されます[4]。記載金額が5万円以上なら印紙が必要になり得ます[5]。
  4. 電子帳簿保存法で電子取引のデータを保存する義務を負うのは、日本の所得税・法人税の保存義務者です[6]。送ったPDFは、受け取った日本の取引先が保存します。韓国に住む発行者自身に日本の保存義務があるかは、確認できていません。
  5. 取引先が保存しやすいように、ファイル名を「日付_取引先_金額」の形にする[7]、同じ内容の紙を別に送らない[8]、といった配慮ができます。どちらも法令上の義務ではありません。

海外から送る領収書と収入印紙 — 国外で作成した文書には課税されない

印紙税法は日本の国内法で、適用されるのは日本国内に限られます。課税文書の作成が国外で行われる場合は、その文書に基づく権利の行使や文書の保存が日本で行われても、印紙税は課税されません[1]。

そこで、領収書を「いつ、どこで作成したか」が問題になります。相手に交付する目的で作成する受取書(領収書)は、交付した時が作成の時です[1]。直接渡す場合は渡した時、郵送などの場合は、届いた時ではなく発信した時が作成の時になります[2]。

PDFなどの電子データは、そもそも印紙税の課税対象になる「文書」に含まれません[3]。渡し方ごとにまとめると次のとおりです。

渡し方作成の時と場所印紙税
PDFをメールなどで送る電子データは「文書」に当たりません[3]かかりません[3]
韓国から郵送する発信した時。発信したのは韓国です[2]かかりません[1]
韓国に来た取引先に手渡す渡した時。渡したのは韓国です[2]かかりません[1]
日本を訪れて取引先に手渡す渡した時。渡したのは日本です[2]日本の規則で判定します(次の節)[4]
PDFを送ったあと、同じ内容の紙も渡す紙を渡した時と場所で決まります[2]日本で渡すと、その紙が課税文書になることがあります[9]。韓国から郵送するならかかりません[1]
韓国に住む発行者が日本の取引先に領収書を渡すときの印紙税

作成地を書いても、実際に渡した場所で決まる

文書に国外の作成場所が書かれていても、実際に日本国内で作成されたものには印紙税法が適用されます[4]。日本の取引先の事務所で紙の領収書を手渡せば、「作成地:ソウル」と書いてあっても日本で作成した領収書です。

国税庁は、国外で作成した契約書について、後で争いにならないよう作成場所を記載するか、その事実を付記しておく措置が必要と説明しています[1]。これは契約書の事例です。領収書にも、この説明にならって「作成地:ソウル」と書くことはできます。ただし法令で決まった記載事項ではなく、書いても実際に日本で渡せば印紙税法が適用されます[4]。

日本で紙の領収書を渡すとき — 印紙が必要かを決める条件

日本で作成した紙の領収書は、日本に住む発行者と同じ規則で判断します。印紙税額の表と詳しい説明は領収書の書き方にあります。判断に使う条件は次のとおりです。

  • 記載金額が5万円以上か:売上代金の領収書は、記載された受取金額が5万円未満なら非課税です。5万円以上100万円以下なら200円です[5]。
  • 消費税額を分けて書いたか:消費税の課税事業者が消費税額等を区分して書いた場合は、その額を記載金額に含めません。免税事業者は、区分して書いても含めます[10]。日本の消費税を載せない領収書なら、書いた受取金額で判定します[5]。
  • 営業に関しない受取書か:営業に関しない受取書は非課税です。営利法人や商人である個人の行為は営業に当たります[5]。医師、弁護士、公認会計士などの行為は、一般に営業に当たらないとされています[11]。
  • クレジットカード払いか:クレジットカードで支払われた旨を書いた領収書は、売上代金の受取書に当たりません。その旨を書かないと課税文書になります[12]。

印紙は、領収書を作成した発行者が貼ります。貼ったら、印章または署名で、領収書と印紙の彩紋にかけて消印します[13]。

印紙を貼らなかった場合は、本来の印紙税額の3倍の過怠税がかかります。税務調査があることを予知する前に自分から申し出れば、1.1倍になります。消印をしなかった場合は、その印紙の額面と同じ額の過怠税がかかります[14]。

電子帳簿保存法 — PDFを保存する義務は日本の取引先にある

電子帳簿保存法では、所得税(源泉徴収に係る所得税を除く)と法人税の保存義務者が、取引情報を電子でやり取りした場合に、そのデータを保存しなければなりません[6]。取引情報には、領収書・請求書・見積書などに通常書かれる事項が含まれます[6]。

メールで受け取ったPDFの領収書は、受け取った日本の取引先が、この保存義務者としてデータのまま保存します[6]。取引先の保存方法は電子帳簿保存法のガイドで説明しています。

取引先が保存しやすい送り方 — 法令上の義務ではない配慮

  • ファイル名を「日付_取引先_金額」の形にする:国税庁は、専用のソフトを使わない個人事業主の保存方法の例として、ファイル名に規則的に内容を表示する方法を挙げ、「20210131_㈱霞商店_110000」を例示しています[7]。取引先から見た「取引先」は発行者(自分)なので、たとえば「20261130_HONG GILDONG_55000」とします。ファイル名の代わりに索引簿で管理する方法もあるので[7]、取引先の決めた形があればそれに合わせます。
  • 同じ内容の紙を別に送らない:同じ内容の書面も受け取った場合、内容が同一で、書面を正本として扱うことを取引先が自社内などで取り決めていれば、取引先は書面の保存だけで足ります。内容が同一でなければ、書面とデータの両方を保存します[8]。紙も求められたら、PDFと同じ内容にして、どちらを正本として扱うかを取引先に確かめておきます。日本で紙を渡すなら、印紙の要否も判断します[9]。

Dokoloでは

Dokoloの領収書はPDFで作ります。

  • PDFで渡す:パソコンの画面では、ログインせずに使う場合は「PDFをダウンロード」、ログインしている場合は編集画面上部の「PDF」で、PDFを保存します。PDFのまま送れば、印紙税はかかりません[3]。
  • メールで送る:ログインしている場合は、編集画面の「送付して交付…」で「メールで送る」を選ぶと、PDFを添付して取引先に送れます。添付ファイルの名前は、ダウンロードするPDFと同じです(下の「ファイル名」)。
  • ファイル名:ダウンロードするPDFにも、「メールで送る」で添付するPDFにも同じ名前が付きます。空欄のままなら「発行日_取引先_金額」(例:20261130_株式会社サンプル_55000)で、取引先には宛名の名前が最後の「御中」「様」を除いて入ります。これは発行者から見た取引先です。受け取る取引先にとっての取引先は発行者(自分)なので、国税庁の例示の形に合わせるなら「20261130_HONG GILDONG_55000」のように書き換えます[7]。書き換える場所は、ログインしているときは編集画面上部の「PDF」の横の「▾」、ログインしていないときは上部のバーの「ファイル名」欄、スマートフォンでは上部の「…」の「ファイル名」です。「\ / : * ? " < > |」は使えません。
  • 収入印紙:領収書に印紙を貼る欄はありません。作成地を書く専用の欄もありません。印刷した紙を日本で渡す場合は、上の条件で要否を確認し、必要なら印紙を貼って消印します[5][13]。
  • 直すとき:ログインして交付した領収書は変更できません。編集画面の「修正版を作成」で、元の領収書をそのまま残して修正版を作ります。
  • 消費税の表示:日本の消費税がかからない取引の領収書は、「金額・税」カードの「消費税の表示」で「表示しない」を選んで作ります。消費税がかかるかどうかは日本の消費税は必要?で確認してください。
  • 自分の控え:ログインしている場合は、「設定」の「データの書き出し」で、交付した書類のPDFをまとめて書き出せます。ZIP内のファイル名は「発行日_取引先_合計_番号」です。

よくある質問

領収書に「作成地:ソウル」と書けば、日本で手渡しても印紙は要りませんか。

要らないとは言えません。作成場所を国外と書いても、実際に日本で作成したものには印紙税法が適用されます[4]。日本で手渡す紙の領収書は、記載金額が5万円以上かなどの条件で印紙の要否を判断します[5]。印紙を避けたいなら、PDFで送るか韓国から郵送します[3][2]。

PDFを送ったあと、取引先から紙の原本も求められました。

韓国から郵送するなら、発信した時に国外で作成したことになるので印紙税はかかりません[2][1]。日本で手渡すと、その紙が課税文書になることがあります[9]。紙はPDFと同じ内容にして、どちらを正本として扱うかを取引先に確かめておきます。内容が同一でないと、取引先は両方を保存することになります[8]。

取引先の電子帳簿保存法のために、発行者がしなければならないことはありますか。

保存義務を負うのは、日本の所得税・法人税の保存義務者である取引先です[6]。ファイル名を「日付_取引先_金額」の形にする[7]などの配慮はできますが、法令上の義務ではありません。発行者自身に日本の保存義務があるかは確認できていないので、送ったPDFの控えは残しておきます。

出典

  1. [1]

    国税庁 質疑応答事例 外国で作成される契約書

    令和7年8月1日現在の法令・通達等一次資料

  2. [2]

    国税庁 質疑応答事例 受取書の作成の時

    令和7年8月1日現在の法令・通達等一次資料

  3. [3]
  4. [4]
  5. [5]

    国税庁 No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  6. [6]
  7. [7]
  8. [8]
  9. [9]
  10. [10]
  11. [11]

    国税庁 No.7125 営業に関しない受取書

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  12. [12]

    国税庁 質疑応答事例 クレジット販売の場合の領収書

    令和7年8月1日現在の法令・通達等一次資料

  13. [13]

    国税庁 No.7129 印紙税の納付方法

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

  14. [14]

    国税庁 No.7131 印紙税を納めなかったとき

    令和8年4月1日現在法令等一次資料

最終確認日

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このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。個別の取引の扱いは税理士または税務署にご確認ください。